SGH日誌
6月21日 総合探究の時間
「西村あさひ法律事務所」の方が来校される
本日の総合探究の時間に日本最大の法律事務所である「西村あさひ法律事務所」の弁護士9名、スタッフ4名の計13名が来校され、7時間目は図書室や探究活動中の教室を巡回して質問を受けてくださいました。現在、2年生は探究活動のテーマ設定、社会課題の絞り込みの作業をしているところですが、苦戦しているグループも多いようです。先週来校されたMURCの矢島先生と同様に「自分たちが何を問題だと思っているのか」「何を解決したいと思っているのか」が基本であり、そこが明確になってくれば自然と先が見えてくるはずだというお話がありました。「何をすれば良い探究になるのか」「何を調べれば良い探究につながるか」ではなく、自分たちの問題意識を突き詰める作業がまだ必要なグループが多いようです。
図書室で質問 教室を巡回
放課後は211教室で法律家による「キャリアガイダンス」を開催しました。多くの生徒が参加しました。弁護士の細谷さん、加藤さんの2名と弁護士秘書の青山さん(一女OG)によるパネルディスカッション方式で進められました。ダイバーシティ推進室長の上羽さん(一女OG)に進行していただきました。
事務所の概要、法律家への道などについての説明があり、それぞれの方の経験を踏まえたお話がありました。弁護士をはじめとした法律家になるために法学部に行く人は多いが、公務員、企業の法務部門で働く人も多いということです。弁護士のお二人も加藤さんは最初から法学を学んだということでしたが、細谷さんは最初は言語に興味があったそうですが途中から方向転換したということでした。秘書になられた青山さんも最初は言語に興味があったということでした。高校時代に自分の進路についてある程度明確にした方が良いのでしょうが、様々なことに触れ、考えるうちに自分にとってのより良い進路が見えてくることもあるということです。ただ、いずれも最終的に弁護士になるという動機は「社会に貢献すること」「社会を変えることができる」「正義の味方になれる」など高い意識があったということは共通していました。
仕事の内容については加藤さんは訴訟に関わる仕事だけでなく、企業の新商品開発について法律の規制の確認などの相談を受け、最終的には商品のパッケージ作りまで関わることもあったそうで、裁判官や検察官と違いクライアントのために広く貢献する役割を担うということです。なぜ弁護士なのかについて細谷さんは司法修習のあとの企業訪問で最初に「西村あさひ法律事務所」を訪問したところ、とても雰囲気が良く正義の味方として働けそうだったので「ここで働く!」と即決したそうです。その判断は正しかったとのことです。
ワークライフバランスについては上羽さんは産休・育休後に復帰した最初の女性管理職だったそうです。その後、育休後に復帰する女性社員が一気に増えたそうです。青山さんも3人の子どもさんを出産し、育てながら働いているそうで自分の人生で「母親以外の自分」をもてる貴重な場になっているということでした。社内でもどんどん女性が働きやすい環境に変える取り組みがおこなわれているそうです。多様な働き方「ダイバーシティ」に取り組む西村あさひ法律事務所の姿勢を見せていただきました。
最後に「法律は人間が作った物であり、生活を支えるインフラと同じ。より良い社会を作るために人の目で見て不備があれば変えれば良いし、足りなければ作れば良い」という言葉が印象的でした。そういう意識を持ちたいものです。
6月14日 総合探究の時間
6月14日(火) 1年生・2年生総合探究の時間
本日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの執行役員・首席研究員の矢島洋子先生と2名のスタッフの方、並びに三菱みらい育成財団の高橋様が来校されました。
7時間目は図書室で主に2年生の探究学習のテーマ設定や探求の方法に関する質問にていねいに答えて下さいました。
今年度の探究活動も始まったばかりなのでテーマ設定や情報の収集などに関する様々な質問が出されました。まだ、漠然としている問題意識に対して、「なぜあなたはその探究をしたいのか?」「なぜ、その問題を取り上げるのか?」それが重要だという指摘が印象的でした。何をやったら良いかではなく、何がしたいのか、何を変えようと思うのかをもう一度考えることが原点のようです。全員の質問に答える時間はなかったので、今後はメールで対応して下さるそうです。
放課後は場所を変えて、希望者による矢島先生とのトークセッションをおこないました。矢島先生の専門領域である、女性の生き方、男女共同参画、ワークライフバランス、ダイバーシティなどに関連し、今まで先生が歩まれてきた経験を話していただき、参加生徒からの質問に答える形で進んでいきました。
就職活動で男女格差が大きかったこと、今の会社に入り自分で研究職の道を切り開いたこと、出産や育児と仕事とのバランスのこと、そして現在の役職について行く過程など興味深いお話を聞かせていただきました。バブル期に就職活動された矢島先生は、当時まだ新しかった現在の三菱UFJリサーチ&コンサルティングに入社されたとのことです。当時は新しい会社だったので、いろいろ意見を出しあったり、交渉の末に会社のあり方や自身の働き方を改善してきたとのことでした。印象的だったのは「置かれた場所で咲く」だけではダメで、自分で環境は変えることもできるし、作ることもできるというお話でした。それぞれが考え、発言し、行動することの大切さが社会を変え、女性の働く環境を変えていくのだと感じました。他にも「女性ならではの視点というよりも、社会は多様な人々が集まった方がより良いものになる」というダイバーシティの発想こそ求められているのだというお話も説得力がありました。
第2回は9月の予定です。
一女の探究学習では総合探究の時間の活動だけでなく、様々な企画を用意していきます。
一女生のみなさんは是非、積極的に参加して下さい。
探究活動始まりました!
6月7日。探究活動が始まりました!
これから毎週火曜日の7時間目は探究活動の時間です。
1年生「モデル研究」 人生のモデルになる女性チェンジメーカーをみつける
2年生グループによる「探究活動」
その成果は2月4日「探究活動成果発表会」で共有されます。
探究活動が始まります
現在、考査期間中です。みなさん勉強に励んでいることと思います。
考査が終わると31日(火)7時間目のガイダンスから今年度の「探究活動」が始まります。
1年生は初めての探究活動です。
2年生は昨年の活動をベースにして各自のテーマによる1年間の探究活動です。
3年生は時間があまり取れませんが、7月の特編期間中に各自の探究活動のまとめをおこないます。
1年生は6月7日からモデル研究をおこないます。自分の人生の目標になるような女性(チェンジメーカー)をみつけて、彼女たちが何を問題にして、どのように壁を突破していったのかを探究してもらいます。
2年生は各自の関心のある分野の希望調整中です。7日からグループ編成、テーマ設定、探究活動へと進んでいきます。
今年は「三菱UFJリサーチ&コンサルティング(シンクタンク)」や日本最大の法律事務所といわれる「西村あさひ法律事務所」のスタッフが一女の探究活動に協力していただけることになりました。SDGsに関わる社会問題について色々質問に答えてくださるはずです。テーマ設定などについてもアドバイスがいただけるのでなんでも質問してみて下さい。
探究活動 ~卒業生からのメッセージ~
いよいよ新年度のスタートが間近になりました。新年度の探究活動もさらにバージョンアップしていきたいと考えています。
3月に卒業した先輩から3年間の探究活動に関するメッセージが寄せられていますので、いくつか紹介したいと思います。
「私は総合選抜型入試の願書を提出するときにSG探究学習で学んだジェンダーについての論文を提出することができました。他にもSSHでの研究についても提出できました。探究学習は自分の興味を深掘りでき、入試にも活用できてとても良い活動だと思います」
「私は1年生、2年生の時の探究活動で世界の格差について学びました。その多くが教育の平等を実現することが問題解決の糸口になると考えました。豊かな国にすること、良い指導者を選ぶためには知識が重要だと考えました。こういう点から「教育の平等」をまずは実現しなければいけないと考え、教育を学びたいと思いました。探究活動には終わりも、正解もなくレポートをまとめたりすることは大変です。でも、考えるプロセス自体がとても大切で、考える癖、調べる癖がつきました。そのことによって得た知識は勉強とは少し違うと思いますが、必ずどこかで役に立つと思います。みなさんもがんばって下さい」
「探究学習で得たSDGsの知識やそれに対する取り組み例などが、自分のやりたいことを確立するのに役立ちました。私は芸術方面に進学しますが、アートを通して社会に還元できる方法を求めていきます。社会問題に対する問題意識は探究活動を通して身につけることができると思います。家族や地域などまずは小さな集団を通して何ができるかを考えることが大切だと思います」
「探究活動はテーマ選びに悩むこともあるかもしれませんが、自分の興味に基づいて選択するのが一番だと思います。(グループで他者と協働して取り組む経験についても)知り合いばかりのグループでなくても、課題に真剣に向き合うメンバーであればコミュニケーションもうまくいき、良いものができます。また、英語でのプレゼンテーションにも積極的に挑戦してみることをおすすめします。英語が完璧でなくても、先生にアドバイスをいただきながら完成度を上げていくことができます」
「私は探究活動に対するモチベーションが高かったのですが、頑張りかたがわからずにいました。1年生、2年生のうちから先生方に質問や相談をして取り組んでいたら高校での学びをもっと充実できたと思います。探究学習で興味があることについて問題意識を持ち、あれこれ考えたことは、大学入試の提出論文を書く際の土台となりました。テーマ設定によっては大学入試にも直結すると思います」
探究学習は自ら学ぶ活動です。
卒業生からは探究活動を通して自分が進むべき道が見えたという声がありました。また、大学入試でも自信をもって論文が作成できたり、面接に臨めたという声も多かったです。取り組み方によってものすごく充実した活動になるはずです。わからないことは、どんどん先生方に質問して下さい。
新3年生はこの時期に自らの活動を振り返り、自分の興味関心はどこにあるのか?それを、もっと追求するにはどのような進路選択をすれば良いのかについて考えてみると良いと思います。
新2年生は1年生でおこなったモデル研究、テーマ学習の取り組みを振り返り、これから1年間をかけておこなう「SS・SG探究Ⅱ」で何を探究するか春休みから考えておくと良いと思います。