SGH日誌
【探究学習】ベトナムフィールドワーク5日目
今日は、いよいよベトナムで過ごす最後の日となりました。午前中は、エースコックベトナムを訪問しました。
エースコックベトナムは、1995年に日越合弁会社として設立され、今年で創業30周年を迎えます。即席麺市場においてシェア40%を誇る、ベトナム国内でも有数の企業です。
社長室のタンさんからは、ベトナムの人口構成などの社会的背景や、エースコックがどのようにして市場でトップシェアを確立したかについて、クイズを交えながらご説明いただきました。生徒たちは、広告戦略や日本人スタッフの人数など、さまざまな角度から積極的に質問していました。
その後、撮影禁止の工場内を見学させていただき、商品の製造工程を間近で見ることができました。
見学後は、主力商品である「Hao Hao」やフォーを試食させていただきました。エースコックでは近年、米粉を使った新ジャンルの即席麺にも力を入れているそうです。
帰り際には記念撮影をさせていただき、嬉しいお土産もいただきました。
午後は、3日目にも訪問したUniversity of Economics and Finance (UEF)の学生と一緒にB&S(brothers and sisters) プログラムに参加しました。B&Sプログラムとは、高校生が現地の大学生と兄弟姉妹のように交流しながら、現地の観光していくプログラムです。今回はビンコム通り周辺を観光しました。短い時間ではありましたが、生徒たちは積極的に交流し、笑顔あふれるひとときを過ごしていました。最後は名残惜しくもお別れとなりました。
夕食の席では、この研修を支えてくださった近畿日本ツーリストの山中さん、そして現地ガイドのタオさんに、生徒たちから感謝の言葉と寄せ書きをお渡ししました(なんと、この寄せ書きは滞在中に生徒たちが自発的に準備したもので、素敵な似顔絵付きです!)
深夜便でタンソニャット空港から成田空港へと出発。出発前には、生徒たちからタオさんに何度も感謝の言葉が送られました。大人気だったタオさんとの別れを惜しむ姿が印象的でした。
このフィールドワークを通じて、生徒たちはベトナムの社会や文化を知るだけでなく、歴史、平和、政治、経済、そして異文化間コミュニケーションについても深く考える機会を得ました。言語が違う中でも各訪問先で優しく接してしてもらい、とても素敵な思い出になりました。
ここで得た経験をしっかりと自分たちの中で消化し、これからの学校生活や将来の進路に生かしていきたいと思います。
【探究学習】ベトナムフィールドワーク4日目
ベトナムフィールドワーク4日目、最初の訪問先は、SDGsソリューションプログラム「Maison Chance(メゾンチャンス)」のChap Chanセンターでした。ここはベトナムで活動するNGOで、孤児やホームレス、障害のある子どもたちに対して、住まい・教育・職業訓練を提供しています。まずは、施設の方から活動内容について説明を受けました。
その後、職業訓練の一環として行われている「ぬいぐるみ作り」を体験しました。綿を詰めて形を整える作業は思いのほか難しく、皆苦戦していましたが、完成したぬいぐるみに愛着を感じる生徒も多かったようです。
また、センターで作られたお土産品も販売されており、生徒たちはベトナムの民族模様の布で作られた雑貨を楽しそうに選んで購入していました。
午後は、観光地としても有名な「ベンタン市場」へ。活気あふれる雰囲気に圧倒されそうになりながらも、値引き交渉にチャレンジして、お得にお土産を購入できた生徒もいました。
その後、技能実習生の送り出し機関「Traminco(トラミンコ)」を訪問しました。日本で働くまでの流れや、事前に受けるトレーニングについての説明を受けた後、生徒たちからは「日本は物価が高いけれど、なぜ日本で働きたいのか」といった質問が多く出されました。それぞれの質問に、担当の方が丁寧に答えてくださいました。
さらに、現在日本での就労を目指して学んでいる実習生の方々との交流も行いました。温かく迎えていただき、実習生の皆さんの熱意に胸を打たれる場面もありました。また、日本とベトナムの関係性や、政治・人権の観点からも多くの学びが得られる機会となりました。
本日の最後は、サイゴン川のディナークルーズです。ベトナムフィールドワーク団長の小松さんがベトナム語で乾杯の挨拶をし、ここまでの研修の成果をねぎらいました。夕食後には、甲板で記念写真を撮る生徒たちの姿も見られました。
いよいよ明日は最終日。最後まで実りある研修となるよう、大切に一日を過ごしていきます。
【探究学習】ベトナムフィールドワーク3日目
本日は、ホーチミン市にあるUniversity of Economics and Finance(UEF)を訪問し、現地大学生との交流活動を行いました。
朝はホテルで朝食後、各班で集まり、ディスカッションの準備からスタート。
大学では温かく迎えていただき、歓迎式では日本側代表の加藤さんが、ベトナム語と英語でスピーチを行いました。
歓迎式の後は、いよいよ本番。日本とベトナムの混合グループを編成し、アイスブレイクのアクティビティのあと、探究学習で取り組んでいるテーマをもとに意見を交わしました。協力してスライドを作成し、言語の壁を越えて伝え合おうとする姿が印象的で、どのグループも真剣に取り組んでいました。
途中には、タピオカミルクティーでリラックスする場面もあり、和やかな雰囲気に包まれました。
午後は発表会。各教室で発表と質疑応答が行われ、最後には「ベストプレゼンター」が選ばれ、大学オリジナルのベアのぬいぐるみが贈られました!
一日を通して、UEFの学生の皆さんとすっかり打ち解け、連絡先を交換したり、記念写真を撮ったりする姿が見られました。
コミュニケーションの難しさや面白さ、そして国際理解とは何かを、肌で感じることのできた貴重な一日となりました。
一日の締めくくりには、夕食にベトナムならではのフレンチ料理を楽しみました。今日の交流の余韻に浸るひとときとなりました。
【探究学習】ベトナムフィールドワーク2日目
2日目の最初の訪問先は、ホーチミン市内にあるツーズー病院です。
この病院は1990年に旧東ドイツの支援で設立され、現在ではヨーロッパ基準の医療技術を備える高水準な病院として知られています。
病院ではまず、ドクターから病院の概要についてご説明いただきました。ツーズー病院は産婦人科の分野で有名ですが、それと並行して、ベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響によって障害を負った方々への医療的・社会的支援にも力を入れています。
これまでに病院で支援を受けた枯葉剤被害者の子どもたちは延べ482人にのぼります。代表的な例としては、結合双生児として生まれ、分離手術を受けたドクさん(お兄さんのベトさんは2007年に逝去)も、現在はこの病院のスタッフとして勤務しています。
その後、私たちは入院中の被害者の方々と交流の時間を持ちました。初めは緊張していた生徒たちも、徐々に打ち解け、笑顔でコミュニケーションをとる姿が見られました。最後には、生徒代表がベトナム語で「楽しかったです。ありがとうございました」と挨拶し、温かい雰囲気の中で交流を終えました。
午後はクチトンネルを訪問しました。クチはベトナム戦争中、アメリカ軍との間で激しいゲリラ戦が繰り広げられた地域として知られています。
まずは当時の様子を記録した映像を見た後、現地ガイドのタオさんに案内されながら、森の中を歩き、各所に残る罠や戦跡を見学しました。生徒たちは真剣に耳を傾け、戦争の記憶に触れていました。
ガイドのタオさん自身も、子どもの頃に家族を亡くした経験があるとのことで、生徒たちは教科書では伝わりきらない戦争の現実を肌で感じたようでした。
クチトンネルでは、実際に狭い地下道を体験しました。立っては歩けないほどの空間で、しゃがみながら進むうちに方向感覚が失われるほどです。昨日訪問した戦争証跡博物館の記憶とも重なり、より深くベトナム戦争について理解を深めることができました。「体験に勝る学びはない」――その実感を新たにしました。
夕方にはレストランで食事をとり、その後、前日と同様に一日の振り返りを行いました。生徒たちからは、学びの多い一日だったという声が多く聞かれました。
【探究学習】ベトナムフィールドワーク1日目
2年総合的な探究の時間でベトナムを選んだ生徒たち19名が、フィールドワークとして8月3日からホーチミン市にきています。8日まで滞在し、研修します。
(成田の搭乗口。みんな笑顔です)
(タンソンニャット空港。バイクの多さに驚いています)
はじめに訪ねた証跡博物館では、ベトナム戦争での報道カメラマンによる写真や当時の現物資料からなる展示を見学しました。
(見学の様子。英語や日本語の解説を熟読しています)
生徒たちは戦争の悲惨さ、そこで生きる人々のしたたかさに触れ感じるものがあったようです。
夕食はベトナム料理のレストランでいただきました。とてもおいしくて、皆たくさん食べました。
(食事前。現地ガイドの方から調味料について教わります)
夕食後のミーティングでは1日の振り返りをグループで共有し、全体に向けて発表しました。自分の感じたことを言語化し、仲間の視点から新たな気づきを得ていました。
(ミーティング風景。お互いの意見をスマホやしおりに記録します)
2日目はツーズー病院を訪問し、クチトンネルを見学します。