校長日誌

8/27 8月全校集会・校長講話「減災と備え」


本日は、夏休み明けの全校集会でした。
夏休み中に活躍のあった多数の生徒を表彰グループ
また、生徒会による全国、関東大会出場の壮行会がありました。
 全国、関東大会では、自分たちの精一杯がだせるように最善を尽くしてほしいと思います。
 結果はあとからついてくる!
 緊張感を楽しめお知らせ

校長講話は、「減災と備え」について話しました。

 

皆さん、おはようございます。まずはこうして、夏休み明け、皆さんと会えたことを、何よりも嬉しく思います。リモートで顔が見えないのが残念。

さて、9月1日は「防災の日」。今日は、改めて皆さんと一緒に「命の守り方」と「防災・減災」について考えたいと思います。

夏休み中の7月28日に、熊本地方で大きな地震が発生し、甚大な被害が出ています。さらに、先週も千葉県において激しい豪雨による洪水被害が発生しました。埼玉県内でも豪雨による水害発生、先日の日曜早朝には大きな地震がありました。
いつ、どこで、どのような災害が起きるか分からない——ハザードマップで浸水被害想定がないところでも、水害がでています。自然の猛威の前に、私たちは無力感を覚えるかもしれません。しかし、だからこそ「自分たちの命は自分たちで守る」という強い意志と、そのための準備が必要です。今日は、3つ話します。

1. 「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?
まず、皆さんに質問です。「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?

どちらも同じように使われがちですが、実は明確な違いがあります。

避難場所とは、命を守るために「まず逃げる場所」です。地震であれば揺れから身を守れる広場や公園、津波や洪水であれば高台や安全なビルなど、一時的に命を避難させる場所を指します。

避難所とは、家が全半壊して戻れない人などが、「一定期間、生活を送る場所」です。学校の体育館や校舎などがこれにあたります。一女は避難所に指定されています。

災害が起きたとき、うまく逃げる。そのとき「どこに、何の目的で逃げるべきなのか」を瞬時に判断しなければなりません。皆さんは、自宅や通学途中の周辺にある「避難場所」と「避難所」を把握できているでしょうか。ぜひ、スマホで確認してみてください。

2. 災害の恐怖を遠ざける「認知バイアス」の罠
次のお話しは、災害が起きたとき、私たちの「脳の仕組み」が命取りになる危険性についてです。

人間の脳には、普段の生活をスムーズにするために、無意識に状況を都合よく解釈してしまうクセがあります。これを「認知バイアス」と言います。5月の集会で「システム1」「システム2」の話をしました。バイアスは、「システム1」のことでした。
この認知バイアス自体は、物事を効率よく処理するために必要なものであり、すべてが悪いわけではありません。しかし、災害時には、このバイアスが私たちの避難を激しく邪魔するのです。

代表的なものが、「正常性バイアス」です。
「まさか自分が被災するわけがない」「これくらいの揺れや雨なら大したことはない」と、危険を過小評価し、目の前の現実から目を背けてしまう心理です。過去に大きな災害で逃げ遅れた人の多くが、「自分は大丈夫だと思ってしまった」と証言しています。

もう一つが、「同調バイアス」です。
「周りのみんなも避難していないから、まだ大丈夫だろう」「先生や大人が指示するまで待とう」と、周囲の様子をうかがって自分を安心させてしまう心理です。

災害の現場では、「みんなが逃げていないから大丈夫」ではなく、「自分が最初に逃げる人間になる」という強い意志を持たなければ、手遅れになってしまいます。

3. 防災から「減災」へ:自分で考える力を磨く
こうした人間の弱さや思い込みを前提にして、私たちが目指すべきなのが「減災(げんさい)」という考え方です。

どれだけ科学技術が進んでも、自然災害を完全に防ぐことはできません。だからこそ、「被害を最小限に抑えるために今できる最善を尽くす」という減災が重要になります。

ここで求められるのが、先ほどお話しした認知バイアスを打ち破る「自ら考える力」です。システム2のことですね。

学校での避難訓練も、災害時に行動に移すために役にたつものです。1000人以上の集団を避難させるには練習が必要。しかし、実際の災害は学校にいるときだけに起きるとは限りません。登下校中かもしれない、一人で家にいるときかもしれない。
そのとき、マニュアル通りの正解などありません。周囲の状況を自分の目で見て、「自分の身に危険が迫っているかもしれない」と疑い、自ら考え、判断し、実行する。この「考える力」こそが、バイアスの罠を断ち切り、皆さんの命を救う最大の武器になります。

おわりに:あらためて、今日から心がけておくこと
私たちは今、予測が難しい変化の激しい時代を生きています。自然災害もその一つです。

冒頭で、避難場所には、津波や洪水などの避難する目的によって、それぞれ指定があると話しました。3.11東日本大震災のとき、津波避難の指定がされていない避難場所に逃げた人たちが、津波の被害に逢い多くの人が亡くなるということがありました。逃げるときに、避難の指定に違いがあることを確認する間は、ありませんでした。

ハザードマップや避難場所、避難所などの確認はスマホでできます。日頃の命を守る行動として、確認して準備をしておいてください。大学進学で地元を離れる人もいますね。その都度、確認。
チャッピーに聞くなら、冷静な判断ができる今です。

それでは、今年度後半が、皆さんにとって学び多き、そして安全で充実した実りのある時間になることを心から願っています。

この後、シェイクアウト訓練を行います。