校長日誌
8/27 8月全校集会・校長講話「減災と備え」
本日は、夏休み明けの全校集会でした。
夏休み中に活躍のあった多数の生徒を表彰
また、生徒会による全国、関東大会出場の壮行会がありました。
全国、関東大会では、自分たちの精一杯がだせるように最善を尽くしてほしいと思います。
結果はあとからついてくる!
緊張感を楽しめ
校長講話は、「減災と備え」について話しました。
皆さん、おはようございます。まずはこうして、夏休み明け、皆さんと会えたことを、何よりも嬉しく思います。リモートで顔が見えないのが残念。
さて、9月1日は「防災の日」。今日は、改めて皆さんと一緒に「命の守り方」と「防災・減災」について考えたいと思います。
夏休み中の7月28日に、熊本地方で大きな地震が発生し、甚大な被害が出ています。さらに、先週も千葉県において激しい豪雨による洪水被害が発生しました。埼玉県内でも豪雨による水害発生、先日の日曜早朝には大きな地震がありました。
いつ、どこで、どのような災害が起きるか分からない——ハザードマップで浸水被害想定がないところでも、水害がでています。自然の猛威の前に、私たちは無力感を覚えるかもしれません。しかし、だからこそ「自分たちの命は自分たちで守る」という強い意志と、そのための準備が必要です。今日は、3つ話します。
1. 「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?
まず、皆さんに質問です。「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?
どちらも同じように使われがちですが、実は明確な違いがあります。
避難場所とは、命を守るために「まず逃げる場所」です。地震であれば揺れから身を守れる広場や公園、津波や洪水であれば高台や安全なビルなど、一時的に命を避難させる場所を指します。
避難所とは、家が全半壊して戻れない人などが、「一定期間、生活を送る場所」です。学校の体育館や校舎などがこれにあたります。一女は避難所に指定されています。
災害が起きたとき、うまく逃げる。そのとき「どこに、何の目的で逃げるべきなのか」を瞬時に判断しなければなりません。皆さんは、自宅や通学途中の周辺にある「避難場所」と「避難所」を把握できているでしょうか。ぜひ、スマホで確認してみてください。
2. 災害の恐怖を遠ざける「認知バイアス」の罠
次のお話しは、災害が起きたとき、私たちの「脳の仕組み」が命取りになる危険性についてです。
人間の脳には、普段の生活をスムーズにするために、無意識に状況を都合よく解釈してしまうクセがあります。これを「認知バイアス」と言います。5月の集会で「システム1」「システム2」の話をしました。バイアスは、「システム1」のことでした。
この認知バイアス自体は、物事を効率よく処理するために必要なものであり、すべてが悪いわけではありません。しかし、災害時には、このバイアスが私たちの避難を激しく邪魔するのです。
代表的なものが、「正常性バイアス」です。
「まさか自分が被災するわけがない」「これくらいの揺れや雨なら大したことはない」と、危険を過小評価し、目の前の現実から目を背けてしまう心理です。過去に大きな災害で逃げ遅れた人の多くが、「自分は大丈夫だと思ってしまった」と証言しています。
もう一つが、「同調バイアス」です。
「周りのみんなも避難していないから、まだ大丈夫だろう」「先生や大人が指示するまで待とう」と、周囲の様子をうかがって自分を安心させてしまう心理です。
災害の現場では、「みんなが逃げていないから大丈夫」ではなく、「自分が最初に逃げる人間になる」という強い意志を持たなければ、手遅れになってしまいます。
3. 防災から「減災」へ:自分で考える力を磨く
こうした人間の弱さや思い込みを前提にして、私たちが目指すべきなのが「減災(げんさい)」という考え方です。
どれだけ科学技術が進んでも、自然災害を完全に防ぐことはできません。だからこそ、「被害を最小限に抑えるために今できる最善を尽くす」という減災が重要になります。
ここで求められるのが、先ほどお話しした認知バイアスを打ち破る「自ら考える力」です。システム2のことですね。
学校での避難訓練も、災害時に行動に移すために役にたつものです。1000人以上の集団を避難させるには練習が必要。しかし、実際の災害は学校にいるときだけに起きるとは限りません。登下校中かもしれない、一人で家にいるときかもしれない。
そのとき、マニュアル通りの正解などありません。周囲の状況を自分の目で見て、「自分の身に危険が迫っているかもしれない」と疑い、自ら考え、判断し、実行する。この「考える力」こそが、バイアスの罠を断ち切り、皆さんの命を救う最大の武器になります。
おわりに:あらためて、今日から心がけておくこと
私たちは今、予測が難しい変化の激しい時代を生きています。自然災害もその一つです。
冒頭で、避難場所には、津波や洪水などの避難する目的によって、それぞれ指定があると話しました。3.11東日本大震災のとき、津波避難の指定がされていない避難場所に逃げた人たちが、津波の被害に逢い多くの人が亡くなるということがありました。逃げるときに、避難の指定に違いがあることを確認する間は、ありませんでした。
ハザードマップや避難場所、避難所などの確認はスマホでできます。日頃の命を守る行動として、確認して準備をしておいてください。大学進学で地元を離れる人もいますね。その都度、確認。
チャッピーに聞くなら、冷静な判断ができる今です。
それでは、今年度後半が、皆さんにとって学び多き、そして安全で充実した実りのある時間になることを心から願っています。
この後、シェイクアウト訓練を行います。
8/23 第2回学校説明会・校長挨拶
蝉の声から、いつしか秋の虫の音へと主役が移り変わる季節となりました。
本日は「処暑」。厳しい暑さの中にも、どこか心落ち着くような秋の気配が漂い始めています。
さて本日、埼玉会館にて、本校の学校説明会を開催しました。
早朝の地震発生により、JRや東武線の運転見合わせや遅延がありました。大変な中、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
9月以降、学校での説明会がございますので、是非ご来校ください。授業や休み時間の様子、部活動等、ご覧ください。
本日の説明会で、私からご挨拶をさせていただきました。
■ 皆さま、おはようございます。校長の山﨑です。
本日は、第2回の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。
■ 早朝の地震は驚きました。みなさま、大丈夫でしたか。本日は、電車運転見合わせ等がありますので、当初の予定を変更しています。ご容赦ください。
■ また、この夏休み中に、熊本地方で大きな地震や、千葉県での大雨、ここのところは埼玉県内でも浸水被害がでています。大変な思いをしている中学生やそのご家族の皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
■ そのような厳しい話がある中で、先ほどの、マンドリン部の演奏、アナウンス部の岩崎さんの朗読は、心落ち着きます。素晴らしかったと思います。いずれ、みなさんが、歓迎する側に来ていただけることを楽しみにしています。
ここから、拝見する皆さんの、表情がとてもいいですね。夏の甲子園では、昨日決勝戦がありました。開会式の選手宣誓で、八王子実践高校の矢澤くんは、「大変なときだから、いい顔で野球をやろう」と話していました。とてもいい言葉だと思いました。
私たちは、楽しい、嬉しい気持ちで勉強するとよりよく学べるということが認知心理学で明らかになっています。いまの皆さんの「いい表情で、受験勉強をやり切りましょう!」
■ さて、今日は 一女に入学しなければ体験できない、他の学校にはない一女の 教育活動を、お伝えします。
私からは、校長として、女子校のよさと、それに基づいた本校の教育について、お話します。
■ まず、本校は1900年(明治33年)に創立され、今年126年目を迎えました。
県内はもちろん 全国的にも最も伝統のある女子高校の一つです。やはり伝統校ならではの落ち着いた雰囲気や環境が本校の魅力の一つです。
■ 現在1,000名を超える生徒が在籍しています。全員、女子です。
この女子のみというところが、勉強、部活や行事など、学校生活を送る上でのよさにつながっています。
女子のみの学校生活で、例えば、生徒は、こんなふうに言っています。
「異性を気にせず生活できる。」
「自分が女子であることを意識しない。」
「ありのままの自分でいられる。」
これは、一人の人として接するということであり、一人ひとりがのびのびとやれる環境があるということです。
ここにいる皆さんも同じだと思いますが、しっかりとした人は、自分のことを考えると共に、他者への配慮もできる。本当の意味で、切磋琢磨して人間的な成長につながる集団が形成されていきます。
ここで、慶應大学の教授、前野隆司(たかし)先生たちが科学的に研究されている、「幸福学」についてご紹介します。幸福学は、ウエルビーングとも言われていますね。
この前野隆司先生たちが提唱している「幸せの4つの因子」というものがあります。因子とは、元になるものということです。
(1)「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
(2)「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
(3)「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
(4)「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
前野先生のお話は、国語の教科書で読んだ人もいるかもしれません。
この4つのことは、一人でと言うより、仲間で!ということですね。つまり、どんな集団に属しているかで、その在り方が変わっていきます。
この4つを、本校に照らしてみると、例えば、
「やってみよう」は、何にでも果敢にチャレンジする力・勇気がある。
「ありがとう」は、お互い素直に友達に感謝をつたえられる。
「なんとかなる」は、みんなで協力して成し遂げる文化がある。
「ありのままに」は、個人を尊重し、素の自分をだせる安心がある。
これらは、女子のみでの生活だからこそ、うまく育んできたものです。
私は、伝統ある女子校のよさとして、本校の教育を支えているものと捉えています。
■ では、本校が目指している教育についてお話します。
目指す学校像は「世界で活躍できる知性と教養、逞しさを備え、社会に貢献する高い志を持った女性リーダー」を育成することです。
私たちは、将来、国内、国外を問わず、世界のどこかで活躍するリーダーを育成したい、と強い使命感を持って日々教育活動に臨んでいます。そうした点で、一女は、今ここにいらっしゃる中学生の皆さんが将来の夢の実現に向けて、視野を拡げ、教養を高めるために、更に大学で学んで欲しいと思っています。
■ しかし、大学に合格することだけを目標に3年間の高校生活を送るのかというと、決してそうではありません。私たちは大学合格後のその先を見据えた教育に本気で取り組んでいます。授業はもちろんのこと、SSHなどの探究学習、海外交流派遣、委員会による学校行事、そして部活動などバランスのとれた全人教育が伝統になっています。
■ 柔軟な発想で知恵を出し合い、みんなで協力し合って課題解決に取り組む場面は、いたるところで見受けられます。「学ぶ」と言うことが、学校全体の生活の中に散りばめられていて、一女生活そのものが学びになっています。
一女で過ごす期間は約1000日。様々な経験によって、これからの時代を生き抜くための本物の教養を磨いてほしいと思います。
■ 以上、私から一女のPRをさせていただきました。
どうぞ、今日は一女を楽しんでください。
お忙しいとは存じますが、2学期以降の土曜日に開催している学校での説明会にもお越しいただけますと幸いです。
授業や休み時間の様子、部活の取り組みなど、生徒の様子をご覧いただいたり、生徒に話しかけていただければと存じます。
それでは、担当からの説明をさせていただきます。
ご清聴、ありがとうございました。
8/7 校長室・華道部作品展(令和8年度・前期)
暦の上では「立秋」を迎え、季節は秋へと踏み出しました。
まだまだ陽射しは強いものの、早朝や夕暮れの風、空の雲の形にほんのわずかな季節の変化を感じる頃です。
幸い、今週は涼しさを感じる日もありました。
夏も後半戦。
日々重ねている地道な学びや練習の成果は、目には見えにくくとも、少しずつ、けれど確実に蓄積されています。
やがて訪れる本格的な秋に、大きな花を咲かせるための大切な充電期間が今。
わずかな変化を大事にしていきましょう!
さて、前期の華道部作品をご紹介します。
暫しの休憩をお取りください。
【R8.4月】
【R8.5月 母の日スペシャル】
【R8.6月】
【R8.7月】
7/24 海外リーダシップ研修(スタンフォード大学)に出発しました
首都圏進学校長会主催の標記研修会に本校生徒4名が参加しています。
サンフランシスコに向けて元気に飛び立ちましました!
(現地は、快晴・気温16℃ 猛暑とさよならデス)
各校保護者の皆様、成田空港での見送りありがとうございます。
参加高校は、東京(日比谷、西)、神奈川(湘南、柏陽)、千葉(県立千葉、船橋)、埼玉(浦和、一女)。
参加の生徒たちは、5つの班に分かれて各校混合のチーム編成で8日間の研修に挑みます。
スタンフォード大学のステファン重松先生のmindfulnessに関する講座を受講します。
帰国後のオリエンテーション研修報告会での皆さんの成長した姿を楽しみにしています。
出発にあたり一言挨拶をしました。
皆さん、こんにちは。浦和一女の山﨑です。
保護者の皆さま、ありがとうございます。
ISAの皆さま、大変お世話になります。
いよいよ出発です。皆さん、とても頼もしく、そして誇らしく見えます。
これから向かうのは、世界のイノベーションの中心地であり、多様なバックグラウンドを持つ人々が新しい価値を創造している熱気溢れる場所です。
今回の研修は、人生の転換点となるような濃密な数日間です。
なんでも、面白いと思い、自分のプラスにしてください。
道中気をつけて、行ってらっしゃい
校長室 華道部作品展(令和7年度)
今日は二十四節気の「大暑」です。
「大暑」は、暑さが最も厳しくなる頃をいいますが、全国的に「大暑」にふさわしい、厳しい暑さが続いてます。
さて、華道部の皆さん、いつもありがとう
毎月、校長室が華やかです
昨年度の作品を一挙掲載します
涼をとりつつ、お楽しみくださいませ
【令和7年.5月】
【令和7年.6月】
【令和7年.7月】
【令和7年.9月】
【令和7年.10月】
【令和7年.11月】
【令和7年.12月】
【令和8年.1月】
【令和8年.2月】
【令和8年.3月】
7/17 全校集会・校長講話「当たり前のもの」
明日から夏休み。
今日は前期のひと区切りの日です。
私たちが身につけたい力として、「タイムマネジメント(時間管理)」があります。
夏休みは、この時間管理をうまくやるチャンスです!
自分が自由にできる時間を有効につかいましょう
校長講話は「当たり前のもの」
皆さん、おはようございます。
今日で前期が一区切りです。日々の授業や学校行事、部活に全力で取り組んだ皆さんの姿を見ていて、皆さんが自分自身の「思考のエンジン」を大きく回してきたことを実感しています。
さて、もうすぐ夏休みです。この時期、私たちは歴史の大きな節目を迎えます。
今日はお休みを前に、一冊の書物、そしてそこに刻まれたある若者の生き方について、皆さんと共有したいと思います。
それは、『戦艦大和ノ最期』(講談社学術文庫)という本です。著者は、当時東京帝国大学の学生でありながら、学徒出陣によって戦艦大和の乗組員として召集された吉田満さんです。
当時、彼は二十代の若者でした。東大での学問の道を中断され、巨大な鉄の塊である戦艦大和に乗り込み、死と直面する極限の状況に置かれました。彼が著した手記には、優秀な頭脳を持ちながら、国家の命運を背負わされ、仲間たちが次々と海へ沈んでいく様子が克明に綴られています。そこには、絶望的な状況下でも人間としての理性を失わず、最期まで誇り高くあろうとした若者たちの、凄まじい「覚悟」があります。
吉田さんは、奇跡的に生還を果たしました。しかし、彼は戦後、その壮絶な体験を語り、書き残し続けることに人生を捧げました。それは、単に戦争の悲劇を訴えるためだけではありません。「命を燃やした仲間たちの生きた証を、自分が見届け、次世代へ伝えなければならない」という強い使命感によるものでした。戦後の混迷期にあっても、彼は平和を希求し、民主主義の礎となるべく、書くことを通じて社会と対峙し続けました。
皆さんに伝えたいのは、この「覚悟」についてです。吉田さんたちが生きた時代は、自らの人生を自分で選ぶことが許されない時代でした。一方、今の私たちは違います。今の皆さんは、平和な社会の中で、自分の未来を自分で描き、切り拓くことができます。
しかし、その「自由に選択できる未来」は、決して当たり前のものではありません。平和とは、無関心でいて守れるものではなく、一人ひとりが平和のために何ができるかを問い続け、自ら考え、行動することで維持されるものです。
これから迎える夏休み、皆さんは部活動、勉強、あるいは家族との時間、様々な経験をするはずです。どうかその時間の中で、ふと立ち止まって考えてみてください。「今の自分は、自ら考えるエンジンで目的のところへ飛ぼうとしているか?」「自分は、将来どんな社会の担い手になりたいか?」と。
皆さんは浦和一女という学び舎で、知性と教養を磨いています。その力は、単に自分のために使うだけのものではありません。吉田さんたちが守ろうとしたのは、まさに今、皆さんが享受しているこの「学びの場」であり、「未来を創る権利」です。
夏休みは、自分自身と対話する貴重な時間です。本を読むこと、あるいは、身の回りの社会の課題に目を向けること。皆さんがこれから創り出す未来は、今の学びの延長線上にあります。
怪我や事故には十分に注意し、心身ともに充実した時間を過ごしてください。そして、夏休み明け8月27日に、より逞しく、よりしなやかな「自分の思考エンジンで飛びまわれる自由闊達な飛行機型の人間」として戻ってくることを心から楽しみにしています。
それから、一点、連絡です。
11/24から2/23まで体育館のエアコン設置工事を行います。
この期間は、体育館がつかえないことと、工事車両の出入りがありますので注意してください。
それでは、皆さんの夏が、実り多き時間となることを祈っています。
6/27 第2回教育関係者対象学校説明会・校長挨拶
本日は足元の悪い中、多くの皆様にお越しいただきました。
中学校、塾の先生方、ご来校ありがとうございます。
授業を見学いただいた後、本校のことや入試について説明をさせていただきました。
冒頭、私からの挨拶です。
■皆さま、こんにちは。校長の山﨑です。
本日は、台風接近で天候の悪いなか、本校の説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
また、本校の受検に向けて、日頃から中学校や塾の先生方に、本校を力強く応援していただいおりますことに厚く御礼申し上げます。実際に、本校生徒に「一女に来た理由」を尋ねると、例えば、先生方から「一女を受けてみないか」と勧められて受検を考えるようになったとか、「大丈夫だよ絶対に受かる」と励まされ、激推しされて頑張り続けたなど、皆様に背中を押されて頑張ってこれた生徒が少なくありません。
ここにいらっしゃる先生方のお声がけが、本校との出会いとなり、生徒本人の人生にも大きな影響を与えているのだと感じています。
■さて、今年の中学3年生から入試が変わります。
マークシート方式の導入、国語の作文の廃止、各校による傾斜配点、そしてすべての高校で面接が実施されることなど、変更点があります。
私は、入試は選抜のための制度であると同時に、中学生へのメッセージでもあると考えています。
■例えば、5教科では、ある時期から「説明しなさい」という問題が出題されるようになりました。これは、答えだけでなく、なぜその答えになるのかを理解し、意味理解を伴った深い学びをしてほしい、という「学び方」に関するメッセージだったと受け止めています。
■今回、すべての学校で面接を行うことになりました。これは、入学後の学校生活に生きてくるものと期待しています。
面接対策に多くの時間を割く必要はありませんが、ちょっと考えて欲しいことをお伝えします。
■面接は、なぜその学校に入りたいのか、入学後に何をしたいのか、高校での学びを通して将来どう生きたいのか。つまり、「自分は何者か」を考える機会です。
私たち、大人も就職試験などで、「自己アピール」と言われたとき、「今までどうしてきたか、それを将来どう生かせるか」など、何を話そうか考え込んだりした経験があるのではないでしょうか。
■もちろん、受験勉強にまっすぐ向き合い、精一杯努力してきた中学生、大歓迎です。そのうえで、面接をきっかけに、「なぜ一女を受けるのか」「一度きりの人生で何を実現したいのか」と、少し立ち止まって考えて欲しい。
こういった自分の在りようを考えてみると、人生100年時代に、一女が大事にしていること。つまり授業、行事や部活など様々なことに一生懸命に取り組む全人教育による人間形成のよさを、わかっていただけるのではないかと強く思います。
■本校の「入学者選抜実施内容」の面接の「自己評価資料学校独自項目」のところには、「これまでの自身の活動を振り返り、高い志を持ち続け、粘り強く努力し続けた経験について書いてください」とあります。
これは、高校入学後に「高い志を持ち続け、粘り強く努力し続けて欲しい」という本校からのメッセージです。同時に、大学受験に向けて本校が大事にしていることです。
「高い志を持ち続け、粘り強く努力し続ける」ことは、いままさに取り組んでいる目指す高校への受験勉強そのものです。つまり、受検で頑張り続けたことを話せばよいので、面接対策はなんら必要ないですね。
■おわりにですが、中学校や塾の先生方には、中学生むけの学校説明会にもご参加いただきたいと思っています。中学生や保護者の雰囲気、アナウンス部制作の学校紹介動画やOGによる座談会などもあります。先生方の進路指導の参考になるかと存じます。
その際、お手数ですが、教頭にご一報いただけますと幸いです。
それから、今年度体育館にエアコン設置の工事を行います。一女は来年度から体育館にエアコンがあるらしいよ、と生徒のみなさんにお伝えください。
それでは、このあと、教頭から本校および入試について説明いたします。
6/13 第1回学校説明会・校長挨拶
多数の皆さまにご参加いただきました。
貴重な時間を割いてご来校いただいたことと存じます。
ありがとうございました。
はじめに、音楽部の生徒による演奏(合唱)をお聴きいただきました。
感動
私から皆様へのご挨拶です。
■ 皆さま、おはようございます。校長の山﨑正義です。
本日は、今年度第1回の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。
保護者の皆様におかれましても、お忙しい中、本校に足をお運びいただきました。重ねて御礼申し上げます。
■ さて、今日は一女に入学しなければ体験できない、他の学校にはない一女の教育活動をたっぷりとお伝えします。
生徒に聞くと、説明会にきてみて、一女に決めたという先輩がたくさんいます。良さを感じるところは、この体育館でのお話かもしれませんし、校内を回っての授業や生徒の様子かもしれません、今日はすみずみまでご覧ください。
この後、各担当から詳細についてご説明しますので、私からは、校長として、女子校のよさと、それに基づいた本校の教育について、お話します。
■ まず、本校は1900年(明治33年)に創立され、今年126年目を迎えました。
県内はもちろん全国的にも最も伝統のある女子高校の一つです。やはり伝統校ならではの落ち着いた雰囲気や環境が本校の魅力の一つです。
■ 現在1,072名の生徒が在籍しています。全員、女子です。
この女子のみというところが、勉強、部活や行事など、学校生活を送る上でのよさにつながっています。
女子のみで学校生活を送っていることで、例えば、生徒は、こんなふうに言っています。
「異性を気にせず生活できる。」
「自分が女子であることを意識しない。」
「ありのままの自分でいられる。」
これは、一人の人として接するということであり、一人ひとりがのびのびとやれる環境があるということです。
ここにいる皆さんも同じだと思いますが、しっかりとした人は、自分のことを考えると伴に、他者への配慮もできる。本当の意味で、切磋琢磨して人間的な成長につながる集団が形成されていきます。
■ ここで、慶應大学の教授、前野隆司(たかし)先生たちが科学的に研究されている、「幸福学」についてご紹介します。幸福学は、ウエルビーングとも言われていますね。
この前野隆司先生たちが提唱している「幸せの4つの因子」というものがあります。
(1)「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
(2)「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
(3)「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
(4)「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
この4つのことは、一人でと言うより、仲間で!ということですね。つまり、どんな集団に属しているかで、その在り方が変わっていきます。
この4つを、本校に照らしてみると、例えば、
「やってみよう」は、何にでも果敢にチャレンジする力・勇気がある。
「ありがとう」は、お互い素直に友達に感謝をつたえられる。
「なんとかなる」は、みんなで協力して成し遂げる文化がある。
「ありのままに」は、個人を尊重し、素の自分をだせる安心がある。
これらは、女子のみでの生活だからこそ、うまく育んできたものです。
私は、女子校のよさとして、本校の教育を支えているものと捉えています。
■ では、本校が目指している教育についてお話します。
目指す学校像は「世界で活躍できる知性と教養、逞しさを備え、社会に貢献する高い志を持った女性リーダー」を育成することです。
私たちは、将来、国内、国外を問わず、世界のどこかで活躍するリーダーを育成したい、と強い使命感を持って日々教育活動に臨んでいます。そうした点で、一女は、今ここにいらっしゃる中学生の皆さんが将来の夢の実現のために、視野を拡げ、教養を高めるために、更に大学で学んで欲しいと思っています。
しかし、大学に合格することだけを目標に3年間の高校生活を送るのかというと、決してそうではありません。私たちは大学合格後のその先を見据えた教育に本気で取り組んでいます。授業はもちろんのこと、SSHなどの探究学習、海外交流派遣、委員会による学校行事、そして部活動などバランスのとれた全人教育が伝統になっています。
■ 柔軟な発想で知恵を出し合い、みんなで協力し合って課題解決に取り組む場面は、いたるところで見受けられます。学ぶと言うことが、学校全体の生活の中に散りばめられていて、一女生活そのものが学びになっています。
一女で過ごす期間は約1000日。様々な経験によって、これからの時代を生き抜くための本物の教養を磨いてほしいと思います。
■ 以上、私から一女のPRをさせていただきました。
どうぞ、今日は一女を楽しんでください。
自慢の生徒です。直接、話しかけてみてください。
それでは、各担当からの説明をさせていただきます。
それから最後に、今年度、体育館にエアコンが入る予定です。来年度から使えるようになると思います。
4月に皆様にお会いできることを楽しみにしております。
6/1 朝礼・校長講話「あなたの脳は、あなたをだましている」
【昇降口下の紫陽花】
今日は6月朝礼
みずみずしい新緑に包まれた5月が颯爽と過ぎていきました
校内の紫陽花がきれいに色づいています
校長講話は、「あなたの脳は、あなたをだましている」
私たちは、ときとして不合理な選択をしてしまうことがわかっています
生徒の皆さんには、自分の頭とうまく付き合って、勉強もうまくなって欲しい!
参考図書は、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」ハヤカワ
みなさん、おはようございます。
突然ですが、問題です。よく聞いてください。よいですか。では、
Q バットとボールを合わせると1100円です。バットはボールより1000円高い。ボールはいくらでしょう?
頭の中に、すぐ「100円」という答えが浮かんだ人はいますか?
実は、正解は 50円 です。
「100円」と答えた人、安心してください。ハーバード大学の学生でも半数以上が同じ間違いをしました。これは頭が悪いのではありません。脳の仕組みそのものの話です。
●システム1とシステム2
今日は、この本、認知心理学者のダニエル・カーネマンによる「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」をもとにお話しします。とても面白いので、オススメです。ダニエル・カーネマンは、専門は意思決定論、行動経済学、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
このダニエル・カーネマンは、私たちの思考には2つのシステムがあると言いました。
一つは 「システム1」―― ファスト思考。速い思考
瞬時に、自動的に、ほとんど無意識に働きます。
例えば、「1+1は?」「朝のSHRで担任の顔を見て、機嫌悪そうだな、危険を感じる」、そういった判断です。エネルギーをほとんど使いません。そして、私たちの日常の選択の大半は、実はこのシステム1が行っています。
もう一つは 「システム2」―― スロー思考。遅い思考。
論理的に、じっくりと、意識的に考えます。
複雑な計算、慎重な判断、新しい概念の理解。これがシステム2の仕事です。しかし、疲れる。時間がかかる。だから脳はできるだけこれを使いたがらない。
先ほどのボールの問題で「100円」と答えてしまったのは、システム1(速い思考)が「1100円と1000円から100円っぽい」と瞬時に結論を出し、システム2(遅い思考)がそれを検証しなかったからです。
●私たちが気づかずにハマっている「罠」
カーネマンはシステム1が引き起こす、いくつかのバイアス(思考の歪み)を明らかにしました。みなさんの学習にも、深く関わるものを三つ紹介します。
① 「わかった気」になる罠 ―流暢性の錯覚
教科書を読んでいて、「あ、わかった」と感じたことはありますか? でも、いざテストで問われると書けない。
これは、読むことと理解することを、脳が混同するからです。文字がスラスラ読める=内容が理解できた、とシステム1が誤解する。本当の理解かどうかを確かめるには、本を閉じて自分の言葉で説明してみるしかありません。「人に教えられるか」が、本物の理解の基準です。
② 「最初の印象」に引きずられる罠 ―アンカリング
模試で偏差値55を取った。「自分は55くらいの人間だ」と、その数字が頭に刻まれる。次に50を取ると「やっぱり自分はこの程度か」と落ち込む。
これがアンカリングです。最初に与えられた数字や情報が「錨(いかり)」となり、その後の判断を縛る。一度の点数があなたの可能性の天井ではありません。数字はあなたの現在地であって、あなた自身ではない。行きたい大学を目指せ!
③ 「努力しているから成長しているはず」という罠 ―確証バイアス
一生懸命勉強している。だから実力はついているはずだ―そう信じたい気持ちは自然です。しかしシステム1は、自分の信念を支持する情報ばかりを集め、反する情報を無視しようとします。
自分の信念を支持する情報といえば、AIの回答は質問した人に肯定的な回答を返してくる傾向がありますね。AIに相談するときは、確証バイアスに要注意です。
「なんとなくわかった」で終わっている演習、答え合わせで○をつけただけの問題。それは本当に身についていますか? 自分への問いかけが必要です。
では、どうすればいいのか
カーネマンのメッセージは「システム1を信じるな」ではありません。
システム1は私たちが生きていくために不可欠な、素晴らしい能力です。
彼の主張は、
「重要な場面で、立ち止まれ」
ということです。
学習の場面でいえば、こういうことです。
| システム1に任せてしまいがちな場面 | システム2を意識的に動かす習慣 |
| 「読んでわかった気になる」 | 本を閉じて、白紙に書き出す |
| 「解説を見てわかった気になる」 | 翌日、何も見ずに再挑戦する |
| 「なんとなくこの答えっぽい」 | 「なぜそうなるか」を言語化する |
| 「自分はこの程度の人間だ」 | 「今日の自分は昨日より何が変わったか」を問う |
こういうことは、いつも先生から言われていることですね。
●最後に
みなさんは今、「考える力」そのものを鍛える場所にいます。
システム1の「なんとなく」に気づき、システム2の「待てよ、本当にそうか?」を発動させる。その習慣こそが、難問を解く力であり、受験という選択を超えて、これからの人生で本物の判断力になります。
「速く答えを出せる人」より、「立ち止まれる人」が、長い目で見て賢い。
脳は、楽をしたがります。でも、あなたはその脳の主人公です。
今日から勉強するとき、「これは本当にわかっているか?」と、一度立ち止まってみてください。
その一瞬の問いかけが、あなたの思考を、確実に変えていきます。
思考の論理エンジンを磨いていこう!
(参考:ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』村井章子訳、早川書房)
4/22 SSH開講式(挨拶)
1年生SSH開講式を開催しました。
知的好奇心を源泉とした「勉強をもっと楽しみたい」生徒たちのわくわく感
が伝わってきました。
私からの挨拶です。
こんには、SSH開講式にあたり、お話します。
1年生の皆さん、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の世界へようこそ。
一女にきたら、SSHに取り組んでみたいと思っていましたか!?
それは、素晴らしいですね。きっと、「勉強をもっと楽しみたい!」というみんなの思いがあることでしょう。
今日から始まるこのプログラムは、今まで知っていたと思うことや未知のことに対して、新たな視点を獲得する「知のフロンティア」への入り口です。
それでは、これから3つ話します。
1. 知的好奇心こそ、最高の贅沢である
「なぜだろう」「どうしてこうなるのか」という疑問を抱き、その答えを探究する。この知的好奇心は、人間だけに与えられた最も贅沢な「知的営み」であり、何物にも代えがたい「楽しみ」です。
未知の事柄に出会ったとき、「難しい」と身構えるのではなく、「面白い!」と目を輝かせる。そんな知的なワクワク感を、このSSHの活動の中で存分に味わってください。
2. 「面白がること」の才能を磨く
研究には、壁がつきものです。再現実験をしてもうまくいかなかったり、予想外の結果が出たり、仮説が外れたりすることもあるでしょう。しかし、そんな時こそ「さて、ここからが面白くなってきたぞ」と笑える強さを持ってください。何事も「面白がって取り組む」姿勢は、創造性を生む最大のエンジンです。楽しんで取り組んでいる人には、誰も適(かな)いません。
3. SSHは「教科書の学び」を加速させる
「SSHの研究と、普段の授業の勉強は別物だ」と考える人がいるかもしれません。しかし、それは違いますね。SSHで探究の深さを知れば、普段、無機質に見えていた「教科書の一行」が、科学者たちの情熱や歴史の積み重ねに見えてくるはずです。研究で得た視点は、必ず皆さんの学習をより深く、より楽しいものへと変えてくれます。
おわりに
今日は3つ話しました。「知的好奇心こそ、最高の贅沢」「面白がることの才能を磨け」「SSHは「教科書の学び」を加速させる」
これらSSHの活動は一人では成し遂げられません。共に議論し、時には対立し、支え合って一つの課題に挑む仲間を大切にしてください。ここで結ばれた絆は、同じ志を持つ一生の宝物になります。互いの個性を尊重し、高め合える集団であってください。
皆さんの探究心が、新しい未来、新しい自分を切り拓く力になると信じています。みなさんの瑞々しい感性で、この世界を遊び尽くそう! 頑張れ!
4/18 PTA総務委員会(保健委員会による生徒プレゼン)
PTA総務委員会が開催されました。
ご出席いただいたPTA、後援会の皆様、渉外部の先生方ありがとうございました。
総会にむけてR7,R8について報告、検討をいただきました。
また、会の冒頭にお時間をいただき、生徒によるプレゼンがありました
このプレゼンは、保健委員会が実施してきた「MOON SHAREプロジェクト」事業についてです。
事業実施の持続性のために、予算面での話もありました。
事業内容、2名の発表生徒共に立派でした
「MOON SHAREプロジェクト」の概要は、保健委員会が発行している以下のHealth journal 4月号をご覧ください。
4/18 第1回塾向け説明会(挨拶)
第1回塾の先生方向け説明会を開催しました。
多数の皆様にご来校いただきました。
ありがとうございます。
全体説明後、授業参観などの校内見学もしていただきました。
本校でご覧いただいたことを塾の生徒や保護者の皆さまにお伝えください。
会の冒頭に私から挨拶をさせていただきました。
皆さま、こんにちは、校長の山﨑です。
本日は、本校の説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
今年度、新入生を迎えて無事、新年度を始めることができました。
中学生の受検においては、塾の先生方に応援していただいたことが多分にあります。
昨年度は2回、11月15日と、年明けの1月10日に、塾の先生方向けの説明会を開催させていただきました。先生方には重ねてお越しいただきました。本校の説明会でのことを塾生のみなさんにお話いただいたり、ご自身の塾のホームページで発信していただたりしています。
そして、梅野さん、ノグジュンさんに、度々お越しいただき動画での発信をしていただいております。
皆様に、感謝申し上げます。
本校生徒や保護者のかたに、一女にきたのはどうしてか?と聞くと、塾の先生に推されて、という方が結構います。本校入学のきっかけになっていますし、生徒本人の人生にも大きな影響を与えています。
さて、今年の中3生から入試が変わります。
マークシート方式のことや、国語の作文がなくなることなど学力検査に関することで変更になることや、傾斜配点が各校によってことなっていること、全ての高校で面接をするということなど、あげていくと結構ありますね。
私は、入試は、選抜をするためのものであると同時に、中学生へのメッセージを含んでいると考えています。
これは、今回の話しではありませんが、5教科に関していえば、例えば、「説明しなさい」という問題が、あるときから出題されるようになりました。答えが出たかでなく、どうしてその答えになるのか意味がわかっているのかを求めていて、答えがでればよいという勉強ではなく、意味理解を伴う深い理解をしてきて欲しいというメッセージでした。
今回、すべての学校で面接をすることになりました。調査書のレイアウトが変わったので面接でアピールということもあります。
面接は、自分のことをこたえなければなりません。これは、すべての受験生にいえることですが、どうしてその学校に入りたいのか、入学して何をやりたいのか、高校での学びを通して将来はどうしたいのか、つまり「自分は何者か」を問うて欲しいということだと思っています。
「自分は何者か」「社会でどう生きたいか」を問い続けることは、学びの質を劇的に変えていきます。高校、大学と進み学ぶことが増えれば、思わぬことに出会って考えも変わって当然だと思います。
受験勉強まっしぐらで、精一杯頑張ってきた中学生は、大歓迎ですが、面接があるからこそ、「なぜ、一女を受けたのか」「たった一度の人生をどう生きるのか、何を実現したいか」立ち止まって問いを立ててみることは大事なことだと考えています。
塾の先生に劇推しされて一女へ入学する生徒の皆さんに、是非一度考えて欲しいことです。
このあと、教頭から本校のことについて、入試について説明をさせていただきます。説明後には授業参観等、校内を見学ください。
なお、次回、第2回の塾の先生向け説明会は、6月27日(土)を予定しています。中学生やその保護者向けの第1回説明会は6月13日(土)に開催していますので、説明会でお伝えしている内容や、受検勉強を進める中学生や保護者の皆さまから質問などがあれば、お答えしたり共有できればと思っています。
4/13 学校案内(校長挨拶)
正門の桜が緑美しくなりました。
青空と新緑のコントラストが素敵
さて、今年度版の中学生向け「学校案内」を制作中です。
小学生の皆さんも是非ご覧ください。
学校案内の校長挨拶をお伝えします。
中学生の皆さんへ
世界は今、かつてないスピードで動いています。グローバル化が加速し、AIが社会を塗り替えていく時代に求められるのは、「変化を恐れず、自ら未来を切り拓く力」ではないでしょうか。
浦和一女が目指すのは、知性と教養、そして逞しさを兼ね備え、世界を舞台に社会へ貢献できるリーダーの育成です。
本校の学びは、教室の中だけにとどまりません。生徒同士が本気でぶつかり合う白熱した授業、心とからだを磨き生涯の友情を育む部活動、全力で仲間と一つのゴールへ向かう学校行事——こうした日々の積み重ねが、皆さんの可能性を最大限に引き出します。
また、SSH、SGHで積み上げた実績を礎に、全校で「探究学習」にも取り組んでいます。自分の問いを深め、答えを出す力は、どんな時代にも通用する本物の学力です。
英国・台湾の姉妹校との交流をはじめ、多彩な国際交流の機会も皆さんを待っています。世界へ視野を広げ、多様な価値観に触れることで、「自分にしかできないこと」が見えてくるはずです。
浦和一女での3年間は、きっと生涯の宝物になります。
ここで、あなたの物語を始めましょう!
4/8 対面式
生徒会の皆さん、本日の対面式の開催ありがとうございました。
心のこもった素敵な「あひるバッチ」と「手引き書」です!
緊張していた1年生が、先輩と話をする中で笑顔になっていましたね
対面式にあたり、ひとこと...
2,3年生の皆さん、1年生を歓迎する側、対面式は歓迎式です。
先輩の皆さんには、是非、1年生を育ててほしい。
育てるといっても、手取り足取りで、指導しろというわけではなく、頑張っている先輩の姿、背中を後輩の1年生に見せてほしい。
1年生は、その先輩の姿をみて学び、成長します。
また、1年生の皆さん、入学おめでとう! 入学式から3日目。
新しい環境でつかれていませんか? 今日、先輩と顔を合わせて、今日からが高校生活のスタートですね。
さて、本校は、120年を超える伝統校です。
皆さんが生まれる前から、先輩が引き継いだものがあるからこそ、ここで学ぶことができます。その伝統に感謝。
ところで、伝統とは。
伝統は、老舗の鰻屋さんが大事にする「たれ」に例えられます。「たれ」は使った分だけ新しく注ぎ足し、それはやがて馴染んでその店の味となります。
学校も3年生が卒業して、新入生が入ってきます。新入生は、この「手引き書」で一女のお作法を学び、その都度、一女を形作ります。
ここで、大事なのは、伝統といわれるものは、常に新しい存在が求められるということです。
そして生徒会はいい塩梅に様々な学校行事を企画・運営して、一女の伝統を支える存在です。
2、3年生は、1年生が入ってきたからこそ、いままで以上に、学校を面白くできるし、あとを託せる。
1年生は、早く一女生になれ。
4/81学期始業式・校長講話「共生社会」
桜花爛漫、桜の花びら舞う佳き日
令和8年度 着任式・1学期始業式を迎えることができました!
高い志をもった魅力あるリーダーに成長して欲しい生徒の皆さんには、自分たちが生きていく「共生社会」のことを知って欲しい
校長講話は、「共生社会」について
1. 新たな出会いを「必然」に変える
皆さん、改めましておはようございます。先ほど着任式を終え、一女(いちじょ)に新しい風が吹き込みました。
一方で、慣れ親しんだ先生方との別れに寂しさを感じている人もいるでしょう。しかし、そう思えること自体が、皆さんがその先生と「最高の出会い」を経験した証拠でもあります。
高校時代の出会いは、時に人生の航路を大きく変える力を持っています。私自身の経験を振り返っても、高校で出会った友人や恩師の「自分とは全く違う面白い考え方」に触れた刺激が、後々(のちのち)の自分を形作っています。
この一女に集まった皆さんは、偶然の集まりではありません。「ここで学びたい」という強い意志と目的を共有して集まった仲間です。この「偶然の出会い」を、切磋琢磨し合う「必然の出会い」へと高めていってください。周りの仲間の興味関心に触れ、自分の世界をどんどん広げてほしいと思います。
2. 「合理的配慮」の先にある「共生社会」
さて、今日は社会の動きについて二つお話しします。一つ目は、2年前の4月から義務化された「合理的配慮」についてです。
この合理的配慮は、障害の有無や年齢、性別に関わらず、誰もが尊厳を持って生き生きと暮らせる「共生社会」を目指し、不当な差別を禁じ、必要な助けを届けようという仕組みです。車いすの方の入店を断らない、必要な情報の受け取り方を工夫するといったことは、今や社会の「義務」であり、皆さんが社会に出る頃には「当たり前のマナー」になっているべきものです。最近は身近に見たり、聴いたりするようになりました。皆さんの身近なことでは、入試における合理的配慮がありますね。
しかし、私は皆さんに一歩先を考えてほしいのです。誰かが困っているときに手を差し伸べる。それは本来、法律で決められる前から、私たちが人として大切にしてきた温かな「配慮」そのものではないか、ということです。
3. 「女性活躍」から「自分らしい生き方」へ
二つ目は、今の話に深く関わる「改正女性活躍推進法」についてです。
現在、社会では女性の職業生活における活躍を推進するため、企業に対して情報の公表や行動計画の策定が強く求められています。これは単に「女性の管理職を増やす」という数字だけの問題ではありません。
性別による固定観念を打ち破り、誰もが能力を最大限に発揮できる環境を整えること。
これもまた、先ほどお話しした「共生社会」の重要なひとつの項目です。
将来、リーダーとして社会を牽引していく皆さんにとって、この法律の変化は追い風です。しかし、制度があるから活躍するのではなく、皆さん自身が「どう生きたいか」を主体的に描き、道を切り拓いていくことが何より大切です。
4. 結びに:後輩たちの道標として
この後、対面式が行われます。新入生は、皆さんの背中を見て一女生活をスタートさせます。
目標に向かって真っすぐに突き進む先輩の姿は、何よりも雄弁なメッセージとなります。同時に、不安を感じている後輩にそっと声をかけるような「配慮」のできる先輩であってください。
その小さな行動の一つひとつが、この「一女」を、そして未来の日本を、より良い「共生社会」へと変えていく原動力になります。
それでは、令和8年度を始めましょう。
素晴らしい一年にしていきましょう!
4/6 入学式・式辞
桜花爛漫の中、期待を胸に新入生357名が入学しました
入学にあたり式辞を送りました。
寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、命芽吹く春が巡ってまいりました。校庭の桜が、新たな門出を祝福するかのように、きらきらと光り舞う今日の佳き日。
PTA副会長 長坂 兼一(ながさか けんいち)様
後援会会長 田口 麻沙美(たぐち まさみ)様
麗風会会長 栗原 美恵子(くりはら みえこ)様
本校学校評議員 山口 善子(やまぐち よしこ)様
公私共にご多忙の中、ご臨席を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました三百五十七名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
難関を突破し、高い志を持ってこの「一女」の門をくぐった皆さんを、教職員・在校生一同、心から歓迎いたします。また、これまで慈しみ育ててこられた保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
本校は明治三十三年の創立以来、百二十年を超える歴史を刻んできた、全国屈指の伝統を誇る女子高校です。社会が激しく変化する中にあっても、私たちは変わることなく、次代の日本、そして世界を担う「高い志を持った魅力あるリーダー」を育成することを使命としてまいりました。
各界で活躍する諸先輩方の足跡は本校の誇りですが、今日からは、皆さんがその新しい歴史を創り出す主役なのです。
これからの「一女での一〇〇〇日」が、皆さんの人生を決定づける豊かな時間となるよう、三つのお願いを伝えます。
一つ目は、「自ら考える力」グライダーから飛行機へ
外山滋比古さんの著書『思考の整理学』に、「グライダー人間」と「飛行機人間」の話があります。
グライダーは美しく空を舞いますが、自力で飛ぶことはできず、常に他者に引っ張ってもらう必要があります。一方、飛行機は自らのエンジンを回し、自分の意志で目的地へと飛び立ちます。
これまでの学びは、与えられた問題を解く「グライダー能力」が主だったかもしれません。しかし、正解のない問いに向き合うこれからの時代には、自ら課題を見つけ、エンジンを回して進む「飛行機能力」こそが不可欠です。この三年間で、生涯を支える「思考のエンジン」を鍛え上げてください。
二つめは、「将来の自分」との対話について
経済産業省による「未来人材ビジョン」では、日本の学生の多くが大学の後半になってから進路を考え始めるという結果が出ています。しかし、高校時代という多感な時期に、じっくりと「自分は何者か」「社会でどう生きたいか」を問い続けることは、学びの質を劇的に変ていきます。
一女での新たな友人、先生、そして学問との出会いは、皆さんの可能性を無限に広げるはずです。今持っている固定観念に縛られず、広い視野で「将来の自分」をデザインし始めてください。
三つめは「自律的な安全」と「対話の力」について
高校生活では行動範囲が大きく広がります。通学やSNSの利用、あるいは予期せぬ自然災害など、リスクを予測し、回避する判断力を養ってください。自分の身を守ることは、自律した大人の第一歩です。
同時に、一人で抱え込まないでください。悩みや不安が生じたときは、周りの友人や大人に言葉を尽くして相談してください。対話こそが、困難を乗り越えるときに大事となります。
保護者の皆様、学校教育は、学校・家庭・地域が手を取り合ってこそ、その真価を発揮いたします。私たち教職員は、大切なお子様を全力で導いてまいる所存です。どうぞ本校の教育方針へのご理解と、温かな励ましをお願い申し上げます。
結びに、本日ご臨席いただきました皆様に改めて感謝申し上げますとともに、新入生の皆さんが「一女」での日々を、たくましく、しなやかに、そして悔いなく駆け抜けることを心より祈念し、式辞といたします。
令和八年四月六日
埼玉県立浦和第一女子高等学校長
山﨑正義
令和8年度スタート!
令和8年度がスタートします
校内の桜がとてもきれいです
4月6日(月)入学式
ひと足早く新入生をお迎えします
4月8日(水)着任式、始業式、対面式
今年度も引き続き、どうぞよろしくお願いします
令和7年度修了式校長講話「議論の楽しさ」
昇降口下の桜が少しずつ開花。
4月の新入生、新学年生も歓迎して欲しい。
今日は、今年度最終日、修了式となりました。
校長講話は「議論の楽しさ」について話しました。
みなさん、おはようございます。
今日は、1年の最後、修了式です。一区切りをつけて、次のステップに向かうところ。一年をやり遂げた清々しさを感じていますね。そんな皆さんに、今日は「議論することの楽しさ」をお話ししたいと思います。
さて、皆さんに一冊の本を紹介しましょう。大阪大学の研究者たちが真面目に、かつ遊び心を持って議論を尽くした、『ドーナツの穴だけ残して食べる方法』という本です。ここでのドーナツは、輪になった形を思ってください。ミスドには、輪になっていないものもあるけど、ポケモンなどのキャラクターものなど、今回それは除外。
「ドーナツの穴を残して食べるなんて、そんなの物理的に不可能だ」と切り捨ててしまうのは簡単です。しかし、この本に登場する学者たちは違います。数学者は「ドーナツの形(トーラス)」の定義から考え、工学者は「穴を空間としてどう定義し、保存するか」を模索し、美学者は「穴があるからこそドーナツである」という存在論にまで踏み込みます。みなさんが、興味のある分野の先生が書いた部分だけでも読むと面白さがあると思います。
今日は、この「一見無駄に見える問いを議論すること」の価値について、皆さんと共に、3つに分けて考えてみたいと思います。
一つめ、議論とは、世界の「解像度」を上げること
「議論」と聞くと、相手を言い負かすことや、一つの正解を導き出すことだと思っている人はいませんか? もしそうなら、それは大きな誤解です。
この本の面白さは、「一つの問いに対して、多様な視点が交錯する瞬間」にあります。
数学、物理学、歴史学、心理学、法学、哲学……それぞれの専門家が自分の眼鏡でドーナツを見たとき、そこには全く異なる風景が広がります。
議論をすることの真の面白さは、自分一人の視点では決して到達できなかった「新しい視点」を、他者の言葉を通じて手に入れることにあります。自分とは異なる意見に出会ったとき、「それは違う」と拒絶するのではなく、「なぜ、この人にはそう見えるのだろう?」と問いを立てる。その瞬間、皆さんの見ている世界の解像度は劇的に上がるのです。
二つめ. 議論する力をつけるために、今必要なこと
では、本校で学ぶ皆さんが、真の意味で「議論する力」を身につけるためには、何が必要でしょうか。私は二つのことが不可欠だと考えています。
ひとつは、「徹底的な基礎学力」という武器
これは、意外に思いますか。各個人の「知識を深めること」はとても大事です。
ドーナツの議論が成立したのは、参加者がそれぞれの分野でプロフェッショナルだったからです。確かな知識という足場がなければ、議論はただの「感想の言い合い」に終わってしまいます。皆さんが日々向き合っている数学の定義・公式や古文の文法、物理の法則。これらは将来、誰かと対等に議論し、新しい価値を生み出すための「共通言語」であり、皆さんの「武器」なのです。
もうひとつは、「知的誠実さ」という作法
これは、「わからない」を恐れない勇気です。
議論の場で最も恥ずべきは、知ったかぶりをすることや、論破することに固執して相手を敬わないことです。自分の仮説が間違っていたら、それを素直に認め、他者の優れた意見を吸収する。この「知的誠実さ」こそが、議論を建設的なものにします。
三つめ、議論が「学び」をどう変えるのか
最後に、議論することが皆さんのこれからの学びにどう生かされるのかをお話しします。
これからの社会では、AIが瞬時に「もっともらしい答え」を出してくれるようになります。しかし、「問いを立てること」と「納得解を紡ぎ出すこと」は、人間にしかできません。
議論を通じて多角的な視点を持つことは、皆さんの学びを「暗記」から「創造」へと変えます。
みんな自身が友達とすぐにでもできることとして、例えば、物理の法則を学ぶとき、「もし重力がなかったら?」という仮説を友人と議論したり、歴史の出来事に対し、「もし別の選択がなされていたら?」と多角的に検証したり、妄想したりは楽しい。
また、私たちは、うまく解釈できないときに「意味わかんねぇ」とつい言ってしまう。これは、私たちが常に能動的に物事を捉えようとしているということ。この「意味わかんねぇ」ときに、誰かに向かって「ねぇねぇ、これ意味わからんなんだけど」と話せるとよい。聞かれた相手は、「何が意味わかんねぇ」なのか、自分の知識を振り返る。これを「メタ認知」という。この一連のやりとりは、みんなの知識が能動的、つまりアクティブに働く瞬間、アクティブラーニングともいう。これは、わからなさをめぐるちょっとした議論だ。「意味わかんねぇ」は貴重な機会。ひとりの「意味わかんねぇ」は、そのわからなさの追求でちょっとした議論だ。このとき、質問した方と、質問された方はどちらが学びが大きいか? 質問した方は解決すれば、何よりだが、質問された方は、自分の知識がより深くなるので学びの価値は数倍大きい。人に説明したり、教えたりは自分の勉強にとって何より大事な機会だ。
春休みは、自宅で一人ということもある。誰か相手がいなかったら、生成AIでもよい。よくわからないことや問題があったら、それを写メって、AIにくわせて、「これ意味わからないのですが、中学生にもわかるように説明してください」と対話してみよう。このとき最初のところで、「あなたは、優秀な高校の数学の先生です」とか、AIの役割を定義してあげると回答の精度があがる。また、丁寧な言葉で語りかけると、AIも丁寧にかえしてくれる。
こうしたプロセスを経た知識は、一生忘れることのない、あなた自身のものとなります。一人で机に向かう時間は大切です。しかし、その孤独な思考を他者にぶつけ、揉まれることで、学びは初めて深まりをもち、社会とつながり、輝きを放つのです。
おわりに、皆さんは、この春休みという時間を使って、「よくわからん」も含めた多くの「問い」に出会ってください。そして、それを友人と、家族と、AIと、あるいは自分自身と対話や議論に繋げてみてください。
「ドーナツの穴」を真剣に論じる大人たちがいるように、皆さんも「正解のない問い」を愛せる人になってほしいと願っています。
一年間、よく頑張りました。4月、また一回り大きく成長した皆さんと、再会できることを楽しみにしています。
3/18入学許可候補者説明会「挨拶」
【2/26学力検査当日の朝】
合格した中学生が、説明会に来校しました。
制服採寸・上履き購入など、心身共に高校生
説明会では、各担当からお話がありました。
私からの挨拶です。
皆さん、本校への合格、誠におめでとうございます。
今日、ここで、皆さんにお会いすることができて、大変嬉しく思います。
そして、ここまで温かく、支えてくださった保護者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
さて、皆さんはこの合格を勝ち取るために、長い時間をかけて努力を積み重ねてきたことと思います。その努力は、本当に素晴らしいものです。
しかし、ここで少し立ち止まって、考えてほしいことがあります。
合格は、ゴールではなく、新たなスタートライン。
本校に入学したら、
何をしたいですか?
どんな仲間と出会いたいですか?
どんな自分になりたいですか?
今、ここに集まった皆さんは、事前に連絡をとりあって、ここにきたのではありません。今日は、偶然の出会いです。
でも、一女で学びたいという意思をもって集まりました。思いを同じくした者同士の出会いは、やがて必然の出会いにかわっていきます。
ですので、本校で
何をしたいですか?
どんな仲間と出会いたいですか?
どんな自分になりたいですか?
入学するまでに、ぜひ一度、この問いと向き合う時間をつくってください。
高い志を持って入学した人と、なんとなく入学した人とでは、3年間で大きな差が生まれます。
目標は大きければ大きいほど、皆さんの可能性を広げてくれます。
入学式の日、この場にいる全員が晴れやかな笑顔でそろうことを、心から楽しみにしています。規則正しい生活を心がけ、体と心の準備を整えておいてください。
卒業証書授与式「式辞」
3年生が立派に巣立っていきました卒業
式辞を送りました。
式辞
校内の杜に、春のやわらかな息吹を感じる今日の佳き日に、麗風会会長・栗原美恵子様、PTA会長・八坂剛士様をはじめ、多数のご来賓のご臨席を賜り、「第七八回卒業証書授与式」をかくも盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員一同にとりましても、この上ない喜びでございます。
心より、感謝申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与しました卒業生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。三年間にわたる皆さんの弛まぬ努力と著しき成長に、心から敬意を表します。
思い返せば、今からおよそ六年前、新型コロナウイルス感染症への対応が始まりました。今となっては遠い記憶のようにも感じられますが、皆さんにとっては、中学校から高校へと進む、人生の大切な時期と重なっておりました。思い通りにならない日々の中で、どれほどの思いを抱えてきたことでしょう。
「疾風に勁草を知る」――激しい風が吹いてはじめて、強い草の存在がわかる、という言葉があります。苦難の中にあってこそ、人の真の強さと輝きが現れます。あの困難な経験が、皆さん一人ひとりをたしかに成長させてくれた、と私は確信しております。
卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業を、心よりお祝い申し上げます。長年にわたり、PTA会員として本校の教育活動に温かいご理解とお力添えをいただきましたことに、深く感謝申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、これからをいかに生きていくか――今日はそのことについて、申し上げたいと存じます。
皆さんの強みは、本校での学びを通じて培った、様々な資質と能力にあります。各教科で修めた知識はもとより、粘り強く、あきらめず、最後までやり遂げる力――それは、人として大きく成長した証に他なりません。
その力を土台に、自らの夢や希望に向かって何事にも挑戦できる。たとえ一度うまくいかなくとも、何度でも立ち上がれる。それが皆さんの大きな可能性です。
しかし同時に、今の皆さんは「まだ何者でもない」とも言えます。これは決して弱みではありません。むしろ、これから何にでもなれるという、自由の証です。
ここで、私自身のことを少しお話しさせてください。
私は大学を卒業後、民間企業に就職しました。しかし、「数学の教師になりたい」という思いが心の中にありました。やがてその思いや周囲の事情もあり、会社を辞めて教員採用試験を受ける決意をしたのです。
当時は結婚して小さな子どももおり、世は「就職超氷河期」と呼ばれた時代でした。そのような状況で会社を辞めるなど、周囲のほとんどが反対し、賛成してくれる友人はいませんでした。
そのとき、高校時代の恩師に相談しました。その先生は、こう言ってくれたのです。「そんなにやりたいんだったら、頑張れ。お前ならいい教師になれるよ。」――そして、こう続けました。「ただし、覚悟はあるのだろうな。」
「覚悟」――その一言は、重く、しかし温かく、私の胸に深く刺さりました。妻もまた、賛成して応援してくれました。素晴らしい妻です。
応援してくれる人がいたからこそ、私は精一杯頑張ることができました。そして教師になって、本当によかったと思っております。今日こうして皆さんの卒業を祝福できることが、この上ない幸せです。
まだ「何者でもない」皆さんは、これから様々な経験を積む中で、さらに大きく成長していきます。今は意識していなくても、いつかふと「これが、自分の本当にやりたいことだ」と気づく瞬間が訪れるかもしれません。
スティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業式においてこう述べました。「一番大切なのは、あなたの『心と直感』に従う勇気だ。なぜなら、あなたの『心と直感』は、あなたが本当は何になりたいのかを知っているから」と。
哲学者・内田樹氏は、このジョブズの言葉を受けてこう言います。ここで大切なのは「心と直感」そのものではなく、「それに従う勇気」である、と。なぜ勇気が必要か。「本当になりたいもの」に向かおうとすると、周囲のほとんどが反対するからです。みなが賛成してくれるなら、勇気など要りません。 「そんなことは止めろ」と言われるからこそ、それに抗うために勇気が必要なのです。
私自身の経験からも、この言葉には深く共感するところがあります。「これをやってみたい」と思っても、現実を前にすると躊躇することは少なくありません。自分の心と直感に従う勇気は、容易には出てこないものです。
保護者の皆様、もしお子さんが「こうしたい」と打ち明けてきたときは、どうか温かく背中を押して、応援してあげてください。親からのひと言が、お子さんの人生を大きく動かすことがございます。
人生は、決して平坦ではありません。喜びや楽しさがある一方で、悩み、立ち止まることもあるでしょう。最後は、勇気と覚悟をもって自分で決める――それが自分の人生です。しかし、その前に誰かに相談できるとよいですね。
迷ったとき、困ったときは、いつでも相談しにおいで。一女の先生方は、いつも皆さんの味方です。応援してくれる人がいれば、また一歩踏み出す力が湧いてくるでしょう。
ゲーテはこう言いました。「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」と。言葉は、苦しいときに心を支え、勇気を与えてくれます。どうか、自分を信じてください。
本校の卒業生は、皆さんを加えて三四、九三三名となりました。およそ三万五千人の先輩方が、今この社会を力強く支えています。皆さんも今日から、その誇り高き仲間の一員です。卒業生同士のつながりを、これからも大切にしてください。
日本は「課題先進国」とも称され、超高齢社会・人口減少・産業構造の変化、そしてAIをはじめとする技術革新が急速に進展しています。これからの時代を切り拓き、次の世代を支えていくのは、他でもない皆さんです。ともに歩んでまいりましょう。
結びに、本日こうして皆さんの門出を祝福できますことを、校長として、そして一人の教育者として、深く感謝申し上げます。ランチミィーティングはとても楽しかった。皆さんとともに過ごしたかけがえのない日々に、心より感謝いたします。
卒業生の皆さんの、これからの着実で誇り高い歩みを、心よりお祈り申し上げまして、式辞といたします。
令和八年三月十七日
埼玉県立浦和第一女子高等学校長
山﨑 正義