SGH日誌
2年生総合探究「中間発表会」&探究ミニ講座(MURC)「探究する」とは何だろう?
探究活動「中間発表会」
11月21日(火)2年生の総合探究の時間は、継続しておこなわれている探究活動の中間発表会(前半)を実施しました。17テーマごとに99グループが10教室に分かれて、それぞれの発表をおこないました。各教室で自ら発表するとともに他のグループの発表を聞いて質問、評価記入という流れでおこないました。
これまではグループ内で「問い」「仮設」を設定し、「情報収集」「まとめ」、「解決策の検討、提示」をおこなってきましたが、中間発表では他の生徒に向けてプレゼンをして、意見を聞くこととなります。機材のセッティングからプレゼンの仕方、内容についての質問を受けてみて、色々修正点や補足しなければならないことがみつかったグループも多かったと思います。
また、この日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員・スタッフの方が6人来校され、それぞれの教室でご指導していただきました。中間発表の経験を活かして2月3日(土)の全校成果発表会に向けてさらに探究を深めていけるのではないでしょうか。
探究ミニ講座「探究する」とは何だろう?
~探究学習に取り組む皆さんへ、探究を仕事にする私たちから伝えたいこと~
放課後はMURCの兼澤真吾先生、境翔悟先生による講義を開講し、42人の生徒が参加しました。
探究とは何か?なぜこの活動をおこなうのか?何に約立つのか?など日頃、一女生が抱いている疑問についてわかりやすく解説していただきました。「社会で求められる」のは「問いを立て」「情報を収集し」「その情報を整理・分析」する力であり、まさに「探究活動」で身につけて欲しい力だとわかりました。MURCの先生方が今までに取り組んできた商品開発や街興しの取り組みを例に探究活動が社会でも実践されている例も教えてくださいました。そして探究活動の難しい所は「自分の興味・関心」「知りたい」という想いが持てて活動できているかにあるとのことでした。一女生は学校でおこなっている探究活動にその想いが持てているでしょうか?おそらくそれが持てずに活動している人は「なんでこのような活動をするのか」とか「探究をやらされている」という気持ちになるのだと思います。一女の探究活動では自由にテーマを設定できるのですが、意外と興味関心のあるテーマをみつけられずに活動している人が多いのかも知れません。興味・関心=「知りたい」を追求し、問い・仮説を立て、調査し、分析し結論を出すことにより得られる満足感こそが探究を面白いと思えるサイクルなのです。
まずは一女生全員が色々なことに触れ、学び「知りたい」「もっと知りたい」というものに出会えることを期待したいと思います。
【探究学習】1年生 SS探究クラス内発表会
11月21日(火)総合的な探究の時間に、SS探究のクラス内発表を行いました。
夏休み前から「環境問題」「保健衛生問題」「資源・エネルギー問題」「生物資源・生態系の保護」などの視点からグループでテーマを決定し、問い、仮説を立てて探究してきた成果をポスターにまとめました。
異なるテーマの発表を聞くことで、SDGsに関する様々な問題意識を高め、自分たちにできることは何なのかを考える有意義な時間になりました。
【SGH】Cross Cultural Talkを実施しました!
11月11日(土)に、東京外国語大学の留学生とのトークセッションを中心にした交流会を行いました。今年はアジア、南米、アフリカ等の国から14名の留学生に参加してもらい、様々な意見交換ができました。
自己紹介とフリートークの後、社会的な問題について各国との現状比較、解決策などについて語り合い、最後には全員が英語でプレゼンを行いました。
普段は交流する機会が少ない国々の人と英語を通じてコミュニケーションを取ることができ、一女生にとっても留学生にとっても有意義な時間になったようです。
〈参加生徒の感想〉
・留学生の方はみんな優しくとても楽しかったです。参加したことでより思ったことを英語で表現できるようになりたい、リスニング能力を高めたいと感じられました。
・英語が下手くそでも、動機が「なんとなく」でも、参加した意味が確かにあったと実感できる企画でした。
11月21日(火)16:30 探究プログラム実施します
11月21日(火)7時間目の総合探究の時間は2年生の探究活動の中間発表になります。28日(火)と2週にわたって実施します。21日はMURCの研究員の先生方に来校していただき。ご指導をしていただきます。28日は1年生が中間発表を見学し、西村あさひ法律事務所のスタッフの先生方にもご指導していただきます。
さらに、21日には放課後MURCの研究員の兼澤先生と堺先生にミニ講座を開いていただきます。テーマは「探究する」とはなんだろう? ~探究学習に臨む皆さんへ、探究を仕事にする私たちから伝えたいこと~ です。探究のプロである先生方から探究についての疑問や意義について解説していただきます。
テーマ設定の仕方、調べ学習との違い、どうすれば良い探究活動になるのか、そもそも探究活動の意義って何?楽しさがわからない などの疑問に答えていただきます。
卒業後、大学入学、就職へと探究力は益々要求されます。せっかくやるなら前向きに面白がってやって欲しいと思います。特に来年、探究活動に本格的に取り組む1年生には必見の講座です。
参加希望者はClassroomから申し込むか、社会科内桶まで連絡をお願いします。
保護者の方で参観希望の方は生徒を通じて内桶まで連絡をお願いします。
保護者向け講演会(講師:MURC執行役員・主席研究員:矢島洋子先生)
10月14日(土)14:00から本校視聴覚室にて、保護者向け講演会「『これからの女性のライフプランニング』~企業のダイバーシティ・女性活躍推進を踏まえて~」が行われました。講師は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)執行役員・主席研究員の矢島洋子先生です。
当日は60名を超える保護者が参加しました。昨年は男性の姿はありませんでしたが、今年は3名の参加がありました。
講演の内容は保護者世代と現在では企業の働き方が大きく変化してきており、保護者世代が体験してきた感覚とは様々な点で違いがあることがよくわかる内容でした。ダイバーシティ=多様性が社会の前提となり、労使ともに働き方に対する考え方が柔軟に変化してきていることがよくわかりました。保護者世代では結婚、出産、育児により退職を選択するしかなかったという方も多かったはずです。その後、再就職や派遣社員として仕事に復帰された方も多いのではないでしょうか。いわゆる「女性の働き方がM字カーブを描く」のが日本の労働環境だったものが、最近は「M字」の底が上がってきているということで、近年では多くの企業で妊娠・出産で離職する女性は少数になってきているとのことです。若い世代の夫婦の役割分担意識の変化、男性と女性の賃金格差の縮小により女性が働くことの家庭内でのニーズ拡大など働く側の事情の変化も大きいものの、労働時間の短縮や短時間労働の導入、リモートワークなどの柔軟な働き方の推進、女性の管理職登用など人事制度改革、ビジネスモデルの見直しなど企業側の変化が進んでいることも背景にあるようです。企業も変わらないと生き残れないということのようです。今後、終身雇用制度の見直しも進むことは確実で、働く側もその変化のプラス面を見極め、利用していけると得るものも大きいのだとわかりました。
保護者世代としては、女性はライフステージの変化により働く選択肢が狭まることが多いため、「資格を持っていることが有利に働く」や「公務員の労働環境が良い」と考え、子どもにもそれにあった進学を提案することが多いのではないでしょうか。しかし、矢島先生のお話を聞き、新しい価値観を獲得できたと思われます。「これからは女性も男性も本当にやりがいの感じる仕事を自分のライフプランニングにあった環境の企業で働くことが重要になってくる。資格を取ることや公務員になることが本人のやりたいことと一致しているのであれば問題ないが、やりたいことではない仕事を選択することは人生の選択として適切とは言えない。それよりも、やりたいことのスキルアップを継続し、環境をただ受け入れるのではなく自ら主張したり選択したりしていくことこそ、より良い人生をつかむことになるのだ」というものです。また、現在、大企業の多くは柔軟な働く環境整備に取り組んでいるが、中小企業では大企業以上に柔軟な働き方を取り入れている企業もある一方で、改革が遅れている企業もあり、その差が大きい傾向にあるということでした。その見極めも重要になってくるのだと思います。
保護者や教員は自分の経験や価値観を子どもや生徒に良かれと思って押しつけているころが多いということを改めて知ることができました。矢島先生がおっしゃる「アンコンシャスバイアス」も大人が若い世代に植え付けていることも気づかされました。
探究学習は既存の知識や考え方にとらわれずに新しい答えを探す活動です。今回の保護者講演会は聞き取りや調査に基づく数多くのデータを示していただき非常にわかりやすく固定概念を壊していただけるものだったと思います。参加された方は是非、今後のお子様との話し合いに活用していただきたいと思います。探究学習部では生徒はもちろん、保護者の皆様にも様々な「学び」を提供していきたいと考えております。