SGH日誌

10月6日(金)SGH全校講演会「文藝春秋文芸出版局第二文芸部長 川田未穂先生」【探究学習部】 

 10月6日(金)の午後、探究学習部主催のSGH全校講演会が開催されました。講師は文藝春秋文芸出版局第二文芸部長川田未穂さんで、演題は「自分の好きを追いかけて ~スポーツに全力投球した私が文芸編集者となって~」です。

 川田さんは高校から始めたバスケットに夢中になり初心者でも努力してレギュラーを勝ち取り大学進学もバスケットが強く、打ち込めるという基準で大学を選び早稲田大学に進学されたそうです。高校、大学時代はひたすらバスケット中心の生活をされますが、大怪我もありバスケットの選手を続けることを諦め、現在の文藝春秋社に就職されます。大学時代はバスケットオンリーでまったく本を読まなかったそうですが、中学時代に繰り返し読んだ本やバスケットに打ち込んだ経験により突破したそうです。   

 入社後はジョブローテーションにより「週刊文春」、スポーツ誌の「Number」、ファッション誌、そして文芸担当と担当される分野は変わっても、何に対しても常に前向きに取り組む姿勢が、どの部署でも活躍される原動力になっているようです。また、仕事とは別に学生時代から一貫してバスケットと関わり、選手から指導者へと立場は変わっても「好き」なバスケットの道を常に追求されていることもお仕事をする上でプラスに働いているようです。

  将来、出版関係企業に就職したいという人はただ勉強をがんばり、読書経験を積むだけでなくアンテナを高くして、様々なことに関心を持ち、その中でも誰にも負けないくらい自分が好きだと思えるものを持っていることが大切です。

10月3日(火)「西村あさひ法律事務所トークセッション」        【探究学習部】

 10月3日(火)西村あさひ法律事務所の弁護士・スタッフ18名の方が来校され総合探究の時間のサポートと放課後の「法律キャリアガイダンス」を実施してくださいました。

 総合探究の時間は2年生のグループ活動の教室にそれぞれ入っていただき、活動の進捗状況を確認、課題の設定や「問い」の立て方についてご指導をいただきました。全体的に課題が大きすぎて自分たちが関われる範囲を越えてしまっていたり、自分たちが考えた「問い」になっていないなどのご指摘が多かったようです。今後の活動に是非活かして欲しいです。

 放課後の「法律キャリアガイダンス」では若手女性弁護士さん3人によるパネルディスカッションがおこなわれました。それぞれの弁護士になる経緯、現在の仕事内容、ワークライフバランスについてなど現場で活躍している方からのお話はとても刺激的で新鮮なものでした。特に弁護士の仕事は主に法廷でおこなわれるものだと思う人が多いが、実際は企業のM&Aの仕事が多く会議に出席したり、交渉に出かけたり、そのための調査活動が大部分だというお話には多くの生徒が驚いていたようです。

 その後、18名の方がそれぞれの参加者の個別の質問を受ける形で、時間があっという間に過ぎてしまいました。一女生からは「法学部に進学すると法曹以外にどんな仕事に就けるのか」「自分でも司法試験を突破できるか」「司法試験までどのような勉強をどのくらいやったのか」など様々な質問が出されました。質問に対して暖かく、ていねいな回答をいただき、参加者のモチベーションも上がったようです。

 参加者の感想から

 「たくさんの弁護士の方に会う機会というのがなかったので、とても新鮮でした。面白い話もたくさん 

 伺えましたし、一概に弁護士といっても色々な分野で仕事があって、とてもやりがいのある職種なのだ 

 なと実感しました。今まで法学部志望でしたが弁護士に興味はあまりなかったけれど、今回のキャリア

 ガイダンスを受けて弁護士にすごく興味を持ち、弁護士を目指して勉強を頑張ろうと思います」

 「自分のキャリアについてあまり深く考えたことがなかったので、考える機会になればと思い参加しま

 した。元々法学部も受験の選択肢には入っていたけど、今回の講義を聞いて、より法学部や弁護士とい

 う仕事について興味を持ちました。また、知らなかったような弁護士の方の実際の声を聞くことができ

 てよかったです」

 「私の将来の夢は弁護士ではありませんが、法学部、政治・経済学部に興味があり、今回のガイダンス

 に参加しました。今後進路を考える上で役に立ちそうです。一女までお越しくださってありがとうござ 

 いました」

 

 

 

探究の秋! ~様々な探究プログラム~       

 夏の暑さもようやく峠を越え、いよいよ学びの秋です。

 探究学習部ではこの秋様々なプログラムを用意しております。授業による学びだけでなく、様々な角度から生徒の学びの意識、進路意識を高める場を準備しています。

 9月19日(火)の三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子先生、福塚祐子先生による講演会を皮切りに、まだまだ興味深いプログラムが続きます。

 

今後の日程

 「総合探究の時間」  1年生 SS探究活動スタート  2年 探究活動の継続

 10月3日(火)「西村あさひ法律事務所キャリアガイダンス」

         若手女性弁護士さんによる法曹関係ガイダンス

         *当日は同事務所のスタッフの方18名が2年生の探究活動のサポートもしてい

          ただきます。

 10月6日(金)「SGH全校講演会」

        女性で初めて直木賞選考会議の司会を務めた文藝春秋社川田未穂さんに    

        よる講演。              (三菱みらい育成財団による助成)

 10月14日(土) 保護者向け講演会

         これからの女性のライフプランニング 

             ~企業のダイバーシティ・女性活躍推進を踏まえて~」

            企業の働き方は保護者世代が就職活動をしていた時代とは大きく変化してい

            ます。これからの女性の働き方を踏まえた適切な進路選択が望まれます。保

            護者の意識改革に向けた内容です。(まだ参加受け付けています)

                              (三菱みらい育成財団による助成)

 11月11日(土) 「Cross Cultural Talk」 

         毎年恒例の東京外国語大学の留学生とのトークセッションを中心にした交

          流会です。アジア、欧米、南米、アフリカなど世界中の人と交流し、日本と 

          世界について語り合います。

                            (三菱みらい育成財団による助成)

 以上、浦和一女では毎週火曜日の総合探究の時間だけでなく、生徒の学びの意欲を高めるための様々な活動をおこなっています。

 

        

9月19日(火)総合探究の時間 「1年生モデル研究発表会」&「ライフプランニング特別講義」

 1年生「モデル研究」

 9月19日(火)総合探究の時間は1年生はモデル研究のポスター発表会を実施し、2年生は探究活動を進めました。1年生は各教室で4~5人のグループに分かれ、各自の生き方のモデルとなる女性チェンジメーカーについて作成したポスターを発表しました。タブレットを利用して各自のポスターを共有し、発表、質疑、評価入力と作業を進めました。発表には三菱UFJリサーチ&コンサルティングの4名の研究員の方にも参加していただき、ご指導をいただきました。執行役員 主席研究員の矢島洋子先生は最後に「良い探究活動は良い問いから生まれます。新しい視点、問題意識を持てるかが探究活動の最も重要なポイントです」という言葉が印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 探究プログラム   三菱UFJリサーチ&コンサルティング執行役員主席研究員 矢島洋子先生

                                   主任研究員 福塚祐子先生

  「これからの女性のライフプランニング 

        ~企業のダイバーシティ・女性活躍推進を踏まえて~」

 総合探究の時間の後には矢島洋子先生と福塚祐子先生によるトークセッションがおこなわれ、43人が参加しました。矢島先生からは約30年前と現在では社会も労働環境も大きく変化しており、企業も多様な働き方をとりれ入れるようになってきている。少し前のように女性が仕事か家庭かのような二者択一的な選択をしなくても様々な選択肢が用意されている。自分の生き方をしっかり考え、結婚したらパートナーともしっかり話し合い、ライフステージに従い、より良いライフプランを立てることが大切だというお話をいただきました。ライフプランニング、M字カーブの変化、ダイバーシティ、アンコンシャスバイアス、慈悲的差別などのキーワードがちりばめられた刺激的な内容でした。

 後半の福塚先生には現在2人の小学生のお子様を育てながら働いている経験を通してお話をしていただきました。就職、休職、結婚、出産・育児、職場復帰、職場での役割の変化など大きく変化するライフステージの中で働き方の選択肢が拡大したことが本当に大きかった。企業内の考え方も多様になってきており支援、相談による環境が整い始めている。コロナの影響でテレワークなども浸透し、働き方の多様化は今後も進んでいく。自分のワークライフバランスは自分にしか見えないのだからよく考えて、行動し、自分に合った働き方を追求していくことが大切だというお話をいただきました。

 参加した生徒からは「働く環境がこれほど柔軟に変化してきていることは知らなかった」「まだ先のことだと真剣に考えていなかった」などの感想が寄せられました。一女生は自分の進路について真剣に考えていると思いますが、ライフプランニングと労働環境という視点まではなかなか思いつかないのではないでしょうか?

 今回の内容は10月14日(土)の午後、保護者に向けても講演会という形でお話ししていたく予定です。午前中はPTA親睦スポーツ大会、午後は講演会を企画しておりますので是非ご参加ください。申込は配布したプリントの申込用紙を担任の先生に提出してください。

 

 

【ベトナムフィールドワーク】第4・5日目&まとめ

ベトナム・フィールドワークも現地最終日である第4日目(8/24)は、

ホーチミン市郊外にある「クチトンネル」に行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベトナム戦争中に、南ベトナム解放民族戦線 によってゲリラ戦の根拠地として作られたもの。

全長250km以上にも及ぶといわれる地下トンネルで、地上からはそれとわからないように隠されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵をはめる罠を再現したもの。落ちると串刺しになってしまいます。

 

そしてトンネルの中へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狭くて暗くて、怖かったです。

何より、暑くて汗だくになりました。(周囲はジャングルです)

 

昼食後、ホーチミン市内に戻り、戦争証跡博物館を見学しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中には、ベトナム戦争に関する数多くの写真が展示され、あの戦争がどんなものだったのかを考えさせられました。

「ベトちゃんドクちゃん」と同様に、枯れ葉剤の被害にあった人たちの写真もありました。

 

その後、ホテルにいったん戻り簡単な着替え、そして夕食をとり、空港に向かって出国手続きを済ませ、

0:10発の深夜便で成田に向かって飛び立ち、8/25金の朝8:00に成田に着陸。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入国審査等を経て、9時に無事解散になりました。

 

【まとめ  生徒のコメント】

 今回のベトナムフィールドワークでわたしが感じたことは主に2つあります。
 1つ目はベトナム戦争についてわたしが知らなかったことの多さです。わたしはこれまで戦争の記録が残っている施設に日本でもあまり行く機会がなく、今回のフィールドワークで初めてそのような写真を見ました。たくさんの写真を1度見た記憶はこれまで知っていたどんな知識よりもわたしの心に残りました。今からかなり昔のことだと思っていたのに写真は嫌なほどに鮮明で、下に書いてある文字の説明を見なくてもそこに映る人々の悲しみ、苦しみなどが理解できて、見ているだけなのに泣きそうになりました。これまでそのような写真に触れたことがなく、かなりショックをうけたけれどしっかり知らなければならないことだと強く感じました。ただつらそうと感じさせるだけではなく、忘れないでと私たちに伝えてくる写真だったと思います。
2つ目はこれまで自分が身につけてきたと思っていた英語力が全く通用しなかったということです。わたしは自分の英語力には割と自信をもっているつもりでした。しかしベトナムの大学生との交流の際、わたしの英語はほとんど伝わりませんでした。これはわたしにとってはかなり衝撃的であり、また、前期の期末考査が終わってからどこか気が緩んで、勉強に身が入っていなかったわたしに刺激を与えてくれました。
以上のようにベトナムフィールドワークはこれまでの私の狭い考え方を大きく広げる機会となったと感じています。

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 私が今回の研修に参加した契機は、終戦して50年も経っていないベトナム戦争の歴史であった。太平洋戦争より後に終結し、日本やアメリカとは真逆の正義を掲げて戦ったベトナム戦争の爪痕をこの目で確かめたかったのだ。その希望通り、この4日間で私たちは戦争に関わる複数の施設を巡ることができた。また、現地の日本企業見学や大学生との交流は私たちに新たな知見をもたらした。
 「ツーズー病院内平和村」では、ドクさんをはじめ枯葉剤の被害を受けた多くの子供たちを目にした。衝撃的な光景に目を奪われると同時に、何十年も前の米軍の愚行が何の罪もない子供たちの自由を奪っている事実に憤りを覚えた。「クチトンネル」では、狭いトンネルの中で様々な策を巡らして米軍に抗戦したベトナム人の愛国心と勇気に感銘を受けた。「戦争証跡博物館」では、米軍の武力に怯え逃げ惑う民間人、爆撃に倒れた血だらけの少年、枯葉剤の被害者達の写真が数多く展示されていた。ほとんどがベトナム語と英語による説明であったが、写真だけでもベトナム戦争の残酷さが十分伝わってきた。
 また、現在のベトナムと日本との関わりについても学ぶところが多かった。現地のコンビニやスーパーには日本製の食品が数多く並び、ヤクルトを筆頭に日本企業が盛んに海外へ進出していることが分かった。加えて、現地の大学生との交流により、ベトナムにおける日本のアニメや漫画等への関心が明らかになった。彼女らと話す前は国同士の見えない壁のようなものを感じていたが、会話が盛り上がるにつれて日本人もベトナム人も本質的には同じだと思うようになった。共通の話題で大爆笑していたあの時間は、一女での休み時間を彷彿とさせた。ベトナム人の大学生と話しているというより日本人の高校生と話している感覚に近かった。とはいえ、そのような時間を過ごすことが出来たのは3ヶ国語を巧みに扱うベトナム人大学生の努力の賜物だと思うと頭が上がらない。
 今回の研修を通して、自分の中で開いていた日本とベトナムとの距離が一気に縮まった。研修前にベトナムに対して抱いていたイメージは「社会主義」「発展途上国」など日本には程遠いものだった。しかし実際に見てみると、アメリカと交戦した歴史、勤勉な国民性や蒸し暑い気候が日本によく似ていると思った。現在経済成長が著しいベトナムはこれからも発展し続け、いずれは日本以上に栄えた国になるかもしれない。