SGH日誌

探究活動 ~卒業生からのメッセージ~

 

 いよいよ新年度のスタートが間近になりました。新年度の探究活動もさらにバージョンアップしていきたいと考えています。

 3月に卒業した先輩から3年間の探究活動に関するメッセージが寄せられていますので、いくつか紹介したいと思います。

 

「私は総合選抜型入試の願書を提出するときにSG探究学習で学んだジェンダーについての論文を提出することができました。他にもSSHでの研究についても提出できました。探究学習は自分の興味を深掘りでき、入試にも活用できてとても良い活動だと思います」

 

「私は1年生、2年生の時の探究活動で世界の格差について学びました。その多くが教育の平等を実現することが問題解決の糸口になると考えました。豊かな国にすること、良い指導者を選ぶためには知識が重要だと考えました。こういう点から「教育の平等」をまずは実現しなければいけないと考え、教育を学びたいと思いました。探究活動には終わりも、正解もなくレポートをまとめたりすることは大変です。でも、考えるプロセス自体がとても大切で、考える癖、調べる癖がつきました。そのことによって得た知識は勉強とは少し違うと思いますが、必ずどこかで役に立つと思います。みなさんもがんばって下さい」

 

「探究学習で得たSDGsの知識やそれに対する取り組み例などが、自分のやりたいことを確立するのに役立ちました。私は芸術方面に進学しますが、アートを通して社会に還元できる方法を求めていきます。社会問題に対する問題意識は探究活動を通して身につけることができると思います。家族や地域などまずは小さな集団を通して何ができるかを考えることが大切だと思います」

 

「探究活動はテーマ選びに悩むこともあるかもしれませんが、自分の興味に基づいて選択するのが一番だと思います。(グループで他者と協働して取り組む経験についても)知り合いばかりのグループでなくても、課題に真剣に向き合うメンバーであればコミュニケーションもうまくいき、良いものができます。また、英語でのプレゼンテーションにも積極的に挑戦してみることをおすすめします。英語が完璧でなくても、先生にアドバイスをいただきながら完成度を上げていくことができます」

 

「私は探究活動に対するモチベーションが高かったのですが、頑張りかたがわからずにいました。1年生、2年生のうちから先生方に質問や相談をして取り組んでいたら高校での学びをもっと充実できたと思います。探究学習で興味があることについて問題意識を持ち、あれこれ考えたことは、大学入試の提出論文を書く際の土台となりました。テーマ設定によっては大学入試にも直結すると思います」

  探究学習は自ら学ぶ活動です。

 卒業生からは探究活動を通して自分が進むべき道が見えたという声がありました。また、大学入試でも自信をもって論文が作成できたり、面接に臨めたという声も多かったです。取り組み方によってものすごく充実した活動になるはずです。わからないことは、どんどん先生方に質問して下さい。

 

 新3年生はこの時期に自らの活動を振り返り、自分の興味関心はどこにあるのか?それを、もっと追求するにはどのような進路選択をすれば良いのかについて考えてみると良いと思います。

 新2年生は1年生でおこなったモデル研究、テーマ学習の取り組みを振り返り、これから1年間をかけておこなう「SS・SG探究Ⅱ」で何を探究するか春休みから考えておくと良いと思います。

 

浦和高校 総合探究の時間 4校合同発表会

3月17日(木)浦和高校でおこなわれた総合探究の時間4校合同成果発表会に参加してきました。

浦和高校、熊谷高校、不動岡、浦和一女の生徒が参加し、8グループがそれぞれの探究活動の成果を発表しました。コロナ禍でなかなか校外での発表に参加できない状況が続いてきましたが、貴重な経験ができました。他校では同じ高校生がどのような活動をしているのか知ることができ、良い刺激を受けました。

また、新学習指導要領の実施に伴い、多くの高校で探究活動を開始する傾向にあります。本校ではSSH、SGHの経験の蓄積があり、1・2年生全員が年間を通して探究活動をおこなうという県内でも先進的な取りを実施しています。

発表内容

1 誕生日と学力の関係 浦和高校

2 Providing Better Medical Care for  Muslims  不動岡高校

3 印欧祖語についての考察 熊谷高校

4 技能実習生のリアル 浦和一女 金子海夕 浪江彩花 立野穂果 (2年生)

5 政治的「大衆の反逆」を超克するために 浦和高校

6 梨農家救出プロジェクトNOTHING 梨農家ロス 不動岡高校

7 Car Making in  Arduino 熊谷高校

8 Potentiar of Hydrogen Energy 浦和一女 

探究プログラム ~第3回~ 

三菱みらい育成財団の助成による「探究学習プログラム」の第3回が3月13日(日)に開催されました。

今回は留学生を招き、世界の課題について英語によるディスカッションを中心におこないました。

まずはシリア、エチオピア、カンボジア、ノルウェーからの留学生とそれぞれのグループに分かれ、途中からローテーションにより情報共有をしました。

内戦、児童労働、貧困、格差、難民問題などそれぞれの国が抱えている社会問題をテーマについてディスカッションしていきました。参加した1年生は英語によるコミュニケーションに苦労もしましたが、上級生のサポートも受けながら進め、本格的な英語での会話が初めてだった生徒には良い経験になり、これからの学習意欲が増したようです。

そしてただ、受け身で話を聞くだけでは会話が進まず、気まずい時間になることも体験しました。留学生の話に、問いたて議論を深めていくことの大切さも実感したことでしょう。例えば、「ノルウェーでは難民の受け入れに消極的である」という話題について「社会保障が充実していることが有名で、豊かである国なのになぜ難民の受け入れに消極的なのか」という疑問をもち、なぜそうなるのか?同じ難民の受け入れに消極的な国である日本との比較を考えられたか?ということです。こういうことの積み重ねが探究学習なのです。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

参加生徒の感想

・英語でのコミュニケーションは難しかったが楽しかった。机上で勉強しているのとはまったく違うことがわかった。自分の課題がみつかった。(1年生)

・第1回で自分が本当にやりたいことをするには覚悟と勇気が必要なことがわかった。第2回で海外支援活動をするNPOの話を聞いて、将来の選択肢に海外進学や働くイメージはなかったが、新しい可能性を感じた。第3回では海外の留学生が自分の国の課題を解決するために日本に留学していることを知った。自分も、日本のことをもっと知らないと課題もみつけられないと思った。(1年生)

・SDGsについて何度も学習してきて知っているつもりだったが、問題に直面している国の人の話を直接聞くことでより問題意識が高まった。また、英語でのコミュニケーションは難しかったが英語を学ぶことの意義を強く感じることができた。(2年生)

・探究活動は答えのない問いに対して考え、深掘りする力を鍛えるためのものでこれからの社会に大切なものだと思った。第2回の時に「5回のWhy?」を繰り返すことによって何かが明らかになってくるということを習ったが、その必要性を今回留学生とディスカッションをして実感した。(3年生)

 

 

 

 

 

総合探究の時間  ~1年間のまとめ~ 

2月19日(土)SSH・SGH合同成果発表会がおこなわれ、今年度の探究学習の活動が終了しました。

 

当初、2月5日(土)に予定されていたものですが新型コロナの感染状況が悪化したことにより19日に延期し、校内だけの発表となりました。当日は前半(9時~10時30分)は36教室に分散し、教室ごとに1年生と2年生が集まり、SS探究発表、SG探究発表、SSH個人研究、クロスカルチャルトークの発表をおこないました。2年生はグループで119テーマの発表をおこないました。発表はiPhoneやchromebookにより教室のプロジェクターを利用しポスター、スライドを投影しておこないました。

 

 

 

 

 

 

 

 

後半(11時~12時)は全体会を視聴覚室と各教室をミートでつないでおこないました。

SGHからは「Food Imbalance〜Our Activities are a NEW STYLE〜」(英語)、「SOGIとステレオタイプ」(英語)、「Health Care in Cambodia」(英語)の3本。SSHからは「足の骨の強度におけるティラノサウルスの歩行速度の推定」、「交通信号反応におけるインジゴカルミンの退色」、「乳酸菌に最も適した栄養条件を探る」の3本の発表をおこないました。教室と視聴覚室間で活発な質疑応答もおこなわれました。

一女では毎年、生徒全員が探究活動をおこなっています。この活動を通して「社会について考えること」「課題をみつけること」「課題の解決策を考える」ことを学びます。なぜ?という「問い」を立てることの大切さと難しさを感じたことでしょう。

これから求められるのは、知識を身につけるだけでなく、知識をどのように活かすかです。

是非、この体験を次の学びに活かしてください。

 

来年度はさらにバージョンアップした探究学習の時間にしていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

探究プログラム ~2日目~ 「これからの生き方を学ぶ」 

 2月13日(日)探究プログラムの2日目が実施されました。

 アジアフィールドワークが新型コロナの影響で今年度も実施できなかった代替プログラムとして、三菱みらい育成財団からの助成により1月~3月に1回ずつ、社会的課題に取り組む上で必要になる資質を育成するプログラムを実施しています。先日その第2回が実施されました。

 内容は、関西学院大学教授・前日本テレビ「news zero」キャスター村尾信尚氏、ジャパン・プラットフォーム村松直美氏、Japan Hear近藤ふゆき氏による講演を聞き、質疑応答を行うというものでした。 

 村尾さんからはご自身が「社会を変えなければ」という思いで官僚を辞めて、選挙に出て落選した経験から「やらずに後悔するよりも、やって後悔した方が良い」というお話をいただきました。探究学習では社会を変えることが大きなテーマになります。一歩踏み出す勇気の大切さが伝わったのではないでしょうか。また、参加した生徒から「今の学校での勉強は社会に出てから役に立たないのではないか」という質問に対して「ビジネスに必要な知識は社会に出れば嫌でも学ぶことになる。若く、時間がある今こそ無駄に思えるような学びに触れることが大切だと思う」というアドバイスをいただきました。一女生も卒業して数十年経ってから高校での学びの大切さに気がつくときが来るのだと思います。

 村尾さんが立ち上げに関わった政府、企業、NGOが関わる国際支援組織のジャパンプラットフォームの村松直美さんから人道支援、災害支援の現場から「食べ物を配るだけでなく、自立を促す支援が大切」というお話や「多くの人に感謝されても一部の人たちには認められないこともある」という支援活動の難しさを教えていただきました。

 医療活動を中心に国際支援活動を行っているJapan Heartの近藤ふゆきさんからは「同じ予算で数万人にワクチンを配布して病気を防ぐことも大切だが、同額で高度医療を必要とした命の危機に瀕する1人の命を救うことも大切なこと」「現在、カンボジアに病院を建設し、この病院を現地のスタッフで運営していけるように人材を育成している」ことなどのお話を聞かせていただきました。国際支援の形や理念も多様であることを学びました。

 最後にオブザーバーとして参加してくださったLVMH(ルイ・ヴィトン・ジャパン)の山内彩さんから「みなさんは、ルイ・ヴィトンと聞くと、セレブを相手にした高級ブランドの企業というイメージを持っているかもしれませんが、私たちの会社は職人さんを大切にしてきた会社であることも是非知っていただきたいです。また、多くの女性スタッフが働いています。私たちはこの職人さんや女性スタッフの雇用を守り、働きやすい職場を作ることを目指し、日々邁進しています。」というお話をいただきました。今、各企業がSDGsに強い関心を持っていることは報道などで耳にしますが、それを実感できるお話でした。

  探究学習は社会課題を発見してそれを具体的に解決していこうという取り組みです。深く柔軟な思考と壁を乗り越える勇気や行動力が求められていることを実感した1日でした。

 探究プログラム3日目は3月13日(日)に予定しています。次回は日本で学んでいる留学生との交流を通して学ぶ1日にしたいと思います。