保護者向け講演会(講師:MURC執行役員・主席研究員:矢島洋子先生)

 10月14日(土)14:00から本校視聴覚室にて、保護者向け講演会「『これからの女性のライフプランニング』~企業のダイバーシティ・女性活躍推進を踏まえて~」が行われました。講師は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)執行役員・主席研究員の矢島洋子先生です。

 当日は60名を超える保護者が参加しました。昨年は男性の姿はありませんでしたが、今年は3名の参加がありました。

 講演の内容は保護者世代と現在では企業の働き方が大きく変化してきており、保護者世代が体験してきた感覚とは様々な点で違いがあることがよくわかる内容でした。ダイバーシティ=多様性が社会の前提となり、労使ともに働き方に対する考え方が柔軟に変化してきていることがよくわかりました。保護者世代では結婚、出産、育児により退職を選択するしかなかったという方も多かったはずです。その後、再就職や派遣社員として仕事に復帰された方も多いのではないでしょうか。いわゆる「女性の働き方がM字カーブを描く」のが日本の労働環境だったものが、最近は「M字」の底が上がってきているということで、近年では多くの企業で妊娠・出産で離職する女性は少数になってきているとのことです。若い世代の夫婦の役割分担意識の変化、男性と女性の賃金格差の縮小により女性が働くことの家庭内でのニーズ拡大など働く側の事情の変化も大きいものの、労働時間の短縮や短時間労働の導入、リモートワークなどの柔軟な働き方の推進、女性の管理職登用など人事制度改革、ビジネスモデルの見直しなど企業側の変化が進んでいることも背景にあるようです。企業も変わらないと生き残れないということのようです。今後、終身雇用制度の見直しも進むことは確実で、働く側もその変化のプラス面を見極め、利用していけると得るものも大きいのだとわかりました。

 保護者世代としては、女性はライフステージの変化により働く選択肢が狭まることが多いため、「資格を持っていることが有利に働く」や「公務員の労働環境が良い」と考え、子どもにもそれにあった進学を提案することが多いのではないでしょうか。しかし、矢島先生のお話を聞き、新しい価値観を獲得できたと思われます。「これからは女性も男性も本当にやりがいの感じる仕事を自分のライフプランニングにあった環境の企業で働くことが重要になってくる。資格を取ることや公務員になることが本人のやりたいことと一致しているのであれば問題ないが、やりたいことではない仕事を選択することは人生の選択として適切とは言えない。それよりも、やりたいことのスキルアップを継続し、環境をただ受け入れるのではなく自ら主張したり選択したりしていくことこそ、より良い人生をつかむことになるのだ」というものです。また、現在、大企業の多くは柔軟な働く環境整備に取り組んでいるが、中小企業では大企業以上に柔軟な働き方を取り入れている企業もある一方で、改革が遅れている企業もあり、その差が大きい傾向にあるということでした。その見極めも重要になってくるのだと思います。

 保護者や教員は自分の経験や価値観を子どもや生徒に良かれと思って押しつけているころが多いということを改めて知ることができました。矢島先生がおっしゃる「アンコンシャスバイアス」も大人が若い世代に植え付けていることも気づかされました。

 探究学習は既存の知識や考え方にとらわれずに新しい答えを探す活動です。今回の保護者講演会は聞き取りや調査に基づく数多くのデータを示していただき非常にわかりやすく固定概念を壊していただけるものだったと思います。参加された方は是非、今後のお子様との話し合いに活用していただきたいと思います。探究学習部では生徒はもちろん、保護者の皆様にも様々な「学び」を提供していきたいと考えております。