12/24全校集会 校長講話
今日はあいにくのでした。
風邪をひかないようにしたいところですが、とても乾燥していたので恵の雨でもありますね。
本校は、前期後期制のため今日は終業式ではなく、全校集会。
明日から冬休みですので、切り替えの日です。
令和7年ももうすぐ終わりですね。
全校集会は教室へのリモート配信でした。
多くの表彰があり、アナウンス部の関東地区コンクール出場の壮行会
もありました。
校長講話は「ガラスの天井」について話しました(概要)
皆さん、おはようございます。
今日は、「ガラスの天井」」ということについてお話します。
10月1日の始業式で、「新聞の楽しみ」の話をしました。新聞は、ニュースの扱いが大きいと、文字が大きくなったり、紙面を大きく割いていたりと、眺めるだけで、その影響の大きさがわかります。見出しだけでも読むと参考になりますね。
日々のニュースは様々ですが、みなさん、印象に残ったできごとは何がありましたか。
特に大きなニュースのひとつに、高市早苗さんが、初の女性総理大臣に就任されたことがありました。
1. 歴史の扉が開いた瞬間
第100代を大きく超える日本の憲政史上、初めて「女性」として総理の椅子に座られました。1885年に内閣制度が始まって以来、実に140年近く。この国の中枢に女性が立つことはありませんでした。
皆さんはこのニュースをどう受け止めたでしょうか。「当たり前だ」と思った人もいれば、「ようやくか」と感じた人もいるでしょう。しかし、これは単なる一人の政治家のキャリアアップではありません。日本の歴史において、長く閉ざされていた「ガラスの天井」が、ついに一枚、大きく打ち破られた瞬間なのです。
2. 「女性活躍」という言葉の違和感
ニュースや新聞で「女性活躍社会」という言葉を耳にしますね。政府も企業も、こぞってこのスローガンを掲げています。しかし、私は、この言葉には、違和感を抱くことがあります。
「女性活躍」という言葉がこれほどまでに強調されるのは、裏を返せば、今の社会が「女性が当たり前には活躍できていない」場所であることを示しているからです。本来、能力や志を持つ人が、性別に関わらずその力を発揮できるのは自然なことです。わざわざ「女性」と限定して旗を振らなければならない現状こそが、私たちが直面している現実なのです。
4月に障害者差別禁止法により合理的配慮が義務化されている話をしましたが、全く同じ構図です。
皆さんがこれから飛び込んでいく社会は、こうしたスローガンが叫ばれる一方で、いまだに古い構造や価値観が根強く残っている場所でもあるのです。
3. 足元に潜む「アンコンシャス・バイアス」
ここで皆さんに、一つ意識してほしい言葉があります。それは「アンコンシャス・バイアス」、つまり「無意識の偏見」です。これは、悪意を持って誰かを差別することではありません。自分でも気づかないうちに、「女性はこうあるべきだ」「男性の方がこの仕事に向いている」と思い込んでしまう心のフィルターのことです。
例えば、「数学や理科は男子の方が得意だ」「リーダーはグイグイ引っ張る男性的な強さが必要だ」「家庭を守るのは女性の役割だ」…。こうした刷り込みは、メディアや家庭、そして残念ながら学校生活の中にも、目に見えない霧のように漂っています。
恐ろしいのは、このバイアスが「他人の目」だけでなく、皆さん自身の「内なる声」になってしまうことです。自分には無理かもしれない、これは自分らしくない…。そうやって自ら可能性を狭めてしまうことこそが、最も警戒すべき「アンコンシャス・バイアス」の罠なのです。
幸い、女子校である本校は、何でも自分たちで取り組むことで、バイアスがかかりにくい環境でとてもよいのですが、大学や社会に出ると、その分違和感を感じることがあるということです。
4. 高い志を持つ皆さんへのメッセージ
本校で学ぶ皆さんは、志を高く持っています。私は、皆さんが日々、学校生活に熱心に取り組み、友人と考えを深め合う姿を誇りに思っています。
いずれ社会で活躍する皆さんに、三つのことを伝えたいと思います。
第一に、「前例がないこと」を諦める理由にしない。
今回の女性総理の誕生が示しているように、歴史は常に「最初の一人」によって塗り替えられます。皆さんが何かを志したとき、もし周りにロールモデルがいなかったとしても、それは皆さんが「最初の一人」になれるチャンスなのだと捉えてください。
第二に、自分の「違和感」を大切にする。
社会に出れば、アンコンシャス・バイアスに満ちた言葉を投げかけられることもあるでしょう。その時に感じる「なぜ?」や「おかしい」という感覚を、どうか押し殺さないでください。その違和感こそが、社会を変える種(たね)になります。
第三に、連携の力を信じる。
一人で天井を破るのは大変なことです。しかし、ここには同じ志を持つ仲間がいます。互いに支え合い、認め合うネットワークこそが、偏見のある社会を渡っていくための最強の盾となります。
おわりに
「女性初」という言葉がニュースにならない日が、いつか必ず来ます。それは、性別という属性が、個人の能力や尊厳を上回ることがなくなった世界です。
高市総理の誕生は、その未来への第一歩に過ぎません。そのバトンを受け取り、さらに先の景色を見に行くのは、ここにいる皆さん一人ひとりです。
みなさんには、自分のやりたいことに全力で取り組む勇気を持ってほしいと願っています。