4/6 入学式・式辞
桜花爛漫の中、期待を胸に新入生357名が入学しました
入学にあたり式辞を送りました。
寒さと暖かさが交互に行き交いながらも、命芽吹く春が巡ってまいりました。校庭の桜が、新たな門出を祝福するかのように、きらきらと光り舞う今日の佳き日。
PTA副会長 長坂 兼一(ながさか けんいち)様
後援会会長 田口 麻沙美(たぐち まさみ)様
麗風会会長 栗原 美恵子(くりはら みえこ)様
本校学校評議員 山口 善子(やまぐち よしこ)様
公私共にご多忙の中、ご臨席を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました三百五十七名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
難関を突破し、高い志を持ってこの「一女」の門をくぐった皆さんを、教職員・在校生一同、心から歓迎いたします。また、これまで慈しみ育ててこられた保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
本校は明治三十三年の創立以来、百二十年を超える歴史を刻んできた、全国屈指の伝統を誇る女子高校です。社会が激しく変化する中にあっても、私たちは変わることなく、次代の日本、そして世界を担う「高い志を持った魅力あるリーダー」を育成することを使命としてまいりました。
各界で活躍する諸先輩方の足跡は本校の誇りですが、今日からは、皆さんがその新しい歴史を創り出す主役なのです。
これからの「一女での一〇〇〇日」が、皆さんの人生を決定づける豊かな時間となるよう、三つのお願いを伝えます。
一つ目は、「自ら考える力」グライダーから飛行機へ
外山滋比古さんの著書『思考の整理学』に、「グライダー人間」と「飛行機人間」の話があります。
グライダーは美しく空を舞いますが、自力で飛ぶことはできず、常に他者に引っ張ってもらう必要があります。一方、飛行機は自らのエンジンを回し、自分の意志で目的地へと飛び立ちます。
これまでの学びは、与えられた問題を解く「グライダー能力」が主だったかもしれません。しかし、正解のない問いに向き合うこれからの時代には、自ら課題を見つけ、エンジンを回して進む「飛行機能力」こそが不可欠です。この三年間で、生涯を支える「思考のエンジン」を鍛え上げてください。
二つめは、「将来の自分」との対話について
経済産業省による「未来人材ビジョン」では、日本の学生の多くが大学の後半になってから進路を考え始めるという結果が出ています。しかし、高校時代という多感な時期に、じっくりと「自分は何者か」「社会でどう生きたいか」を問い続けることは、学びの質を劇的に変ていきます。
一女での新たな友人、先生、そして学問との出会いは、皆さんの可能性を無限に広げるはずです。今持っている固定観念に縛られず、広い視野で「将来の自分」をデザインし始めてください。
三つめは「自律的な安全」と「対話の力」について
高校生活では行動範囲が大きく広がります。通学やSNSの利用、あるいは予期せぬ自然災害など、リスクを予測し、回避する判断力を養ってください。自分の身を守ることは、自律した大人の第一歩です。
同時に、一人で抱え込まないでください。悩みや不安が生じたときは、周りの友人や大人に言葉を尽くして相談してください。対話こそが、困難を乗り越えるときに大事となります。
保護者の皆様、学校教育は、学校・家庭・地域が手を取り合ってこそ、その真価を発揮いたします。私たち教職員は、大切なお子様を全力で導いてまいる所存です。どうぞ本校の教育方針へのご理解と、温かな励ましをお願い申し上げます。
結びに、本日ご臨席いただきました皆様に改めて感謝申し上げますとともに、新入生の皆さんが「一女」での日々を、たくましく、しなやかに、そして悔いなく駆け抜けることを心より祈念し、式辞といたします。
令和八年四月六日
埼玉県立浦和第一女子高等学校長
山﨑正義