校長日誌

8/27 8月全校集会・校長講話「減災と備え」


本日は、夏休み明けの全校集会でした。
夏休み中に活躍のあった多数の生徒を表彰グループ
また、生徒会による全国、関東大会出場の壮行会がありました。
 全国、関東大会では、自分たちの精一杯がだせるように最善を尽くしてほしいと思います。
 結果はあとからついてくる!
 緊張感を楽しめお知らせ

校長講話は、「減災と備え」について話しました。

 

皆さん、おはようございます。まずはこうして、夏休み明け、皆さんと会えたことを、何よりも嬉しく思います。リモートで顔が見えないのが残念。

さて、9月1日は「防災の日」。今日は、改めて皆さんと一緒に「命の守り方」と「防災・減災」について考えたいと思います。

夏休み中の7月28日に、熊本地方で大きな地震が発生し、甚大な被害が出ています。さらに、先週も千葉県において激しい豪雨による洪水被害が発生しました。埼玉県内でも豪雨による水害発生、先日の日曜早朝には大きな地震がありました。
いつ、どこで、どのような災害が起きるか分からない——ハザードマップで浸水被害想定がないところでも、水害がでています。自然の猛威の前に、私たちは無力感を覚えるかもしれません。しかし、だからこそ「自分たちの命は自分たちで守る」という強い意志と、そのための準備が必要です。今日は、3つ話します。

1. 「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?
まず、皆さんに質問です。「避難所」と「避難場所」の違いを知っていますか?

どちらも同じように使われがちですが、実は明確な違いがあります。

避難場所とは、命を守るために「まず逃げる場所」です。地震であれば揺れから身を守れる広場や公園、津波や洪水であれば高台や安全なビルなど、一時的に命を避難させる場所を指します。

避難所とは、家が全半壊して戻れない人などが、「一定期間、生活を送る場所」です。学校の体育館や校舎などがこれにあたります。一女は避難所に指定されています。

災害が起きたとき、うまく逃げる。そのとき「どこに、何の目的で逃げるべきなのか」を瞬時に判断しなければなりません。皆さんは、自宅や通学途中の周辺にある「避難場所」と「避難所」を把握できているでしょうか。ぜひ、スマホで確認してみてください。

2. 災害の恐怖を遠ざける「認知バイアス」の罠
次のお話しは、災害が起きたとき、私たちの「脳の仕組み」が命取りになる危険性についてです。

人間の脳には、普段の生活をスムーズにするために、無意識に状況を都合よく解釈してしまうクセがあります。これを「認知バイアス」と言います。5月の集会で「システム1」「システム2」の話をしました。バイアスは、「システム1」のことでした。
この認知バイアス自体は、物事を効率よく処理するために必要なものであり、すべてが悪いわけではありません。しかし、災害時には、このバイアスが私たちの避難を激しく邪魔するのです。

代表的なものが、「正常性バイアス」です。
「まさか自分が被災するわけがない」「これくらいの揺れや雨なら大したことはない」と、危険を過小評価し、目の前の現実から目を背けてしまう心理です。過去に大きな災害で逃げ遅れた人の多くが、「自分は大丈夫だと思ってしまった」と証言しています。

もう一つが、「同調バイアス」です。
「周りのみんなも避難していないから、まだ大丈夫だろう」「先生や大人が指示するまで待とう」と、周囲の様子をうかがって自分を安心させてしまう心理です。

災害の現場では、「みんなが逃げていないから大丈夫」ではなく、「自分が最初に逃げる人間になる」という強い意志を持たなければ、手遅れになってしまいます。

3. 防災から「減災」へ:自分で考える力を磨く
こうした人間の弱さや思い込みを前提にして、私たちが目指すべきなのが「減災(げんさい)」という考え方です。

どれだけ科学技術が進んでも、自然災害を完全に防ぐことはできません。だからこそ、「被害を最小限に抑えるために今できる最善を尽くす」という減災が重要になります。

ここで求められるのが、先ほどお話しした認知バイアスを打ち破る「自ら考える力」です。システム2のことですね。

学校での避難訓練も、災害時に行動に移すために役にたつものです。1000人以上の集団を避難させるには練習が必要。しかし、実際の災害は学校にいるときだけに起きるとは限りません。登下校中かもしれない、一人で家にいるときかもしれない。
そのとき、マニュアル通りの正解などありません。周囲の状況を自分の目で見て、「自分の身に危険が迫っているかもしれない」と疑い、自ら考え、判断し、実行する。この「考える力」こそが、バイアスの罠を断ち切り、皆さんの命を救う最大の武器になります。

おわりに:あらためて、今日から心がけておくこと
私たちは今、予測が難しい変化の激しい時代を生きています。自然災害もその一つです。

冒頭で、避難場所には、津波や洪水などの避難する目的によって、それぞれ指定があると話しました。3.11東日本大震災のとき、津波避難の指定がされていない避難場所に逃げた人たちが、津波の被害に逢い多くの人が亡くなるということがありました。逃げるときに、避難の指定に違いがあることを確認する間は、ありませんでした。

ハザードマップや避難場所、避難所などの確認はスマホでできます。日頃の命を守る行動として、確認して準備をしておいてください。大学進学で地元を離れる人もいますね。その都度、確認。
チャッピーに聞くなら、冷静な判断ができる今です。

それでは、今年度後半が、皆さんにとって学び多き、そして安全で充実した実りのある時間になることを心から願っています。

この後、シェイクアウト訓練を行います。

8/23 第2回学校説明会・校長挨拶

蝉の声から、いつしか秋の虫の音へと主役が移り変わる季節となりました。
本日は「処暑」。厳しい暑さの中にも、どこか心落ち着くような秋の気配が漂い始めています。

さて本日、埼玉会館にて、本校の学校説明会を開催しました。
早朝の地震発生により、JRや東武線の運転見合わせや遅延がありました。大変な中、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
9月以降、学校での説明会がございますので、是非ご来校ください。授業や休み時間の様子、部活動等、ご覧ください。

本日の説明会で、私からご挨拶をさせていただきました。

 

 ■ 皆さま、おはようございます。校長の山﨑です。
  本日は、第2回の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。

■ 早朝の地震は驚きました。みなさま、大丈夫でしたか。本日は、電車運転見合わせ等がありますので、当初の予定を変更しています。ご容赦ください。

■ また、この夏休み中に、熊本地方で大きな地震や、千葉県での大雨、ここのところは埼玉県内でも浸水被害がでています。大変な思いをしている中学生やそのご家族の皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

■ そのような厳しい話がある中で、先ほどの、マンドリン部の演奏、アナウンス部の岩崎さんの朗読は、心落ち着きます。素晴らしかったと思います。いずれ、みなさんが、歓迎する側に来ていただけることを楽しみにしています。

 ここから、拝見する皆さんの、表情がとてもいいですね。夏の甲子園では、昨日決勝戦がありました。開会式の選手宣誓で、八王子実践高校の矢澤くんは、「大変なときだから、いい顔で野球をやろう」と話していました。とてもいい言葉だと思いました。
 私たちは、楽しい、嬉しい気持ちで勉強するとよりよく学べるということが認知心理学で明らかになっています。いまの皆さんの「いい表情で、受験勉強をやり切りましょう!」

■ さて、今日は 一女に入学しなければ体験できない、他の学校にはない一女の 教育活動を、お伝えします。
私からは、校長として、女子校のよさと、それに基づいた本校の教育について、お話します。

■ まず、本校は1900年(明治33年)に創立され、今年126年目を迎えました。
 県内はもちろん 全国的にも最も伝統のある女子高校の一つです。やはり伝統校ならではの落ち着いた雰囲気や環境が本校の魅力の一つです。

■ 現在1,000名を超える生徒が在籍しています。全員、女子です。
この女子のみというところが、勉強、部活や行事など、学校生活を送る上でのよさにつながっています。
女子のみの学校生活で、例えば、生徒は、こんなふうに言っています。
「異性を気にせず生活できる。」
「自分が女子であることを意識しない。」
「ありのままの自分でいられる。」

 これは、一人の人として接するということであり、一人ひとりがのびのびとやれる環境があるということです。
 ここにいる皆さんも同じだと思いますが、しっかりとした人は、自分のことを考えると共に、他者への配慮もできる。本当の意味で、切磋琢磨して人間的な成長につながる集団が形成されていきます。

 ここで、慶應大学の教授、前野隆司(たかし)先生たちが科学的に研究されている、「幸福学」についてご紹介します。幸福学は、ウエルビーングとも言われていますね。
 この前野隆司先生たちが提唱している「幸せの4つの因子」というものがあります。因子とは、元になるものということです。
 (1)「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
 (2)「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
 (3)「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
 (4)「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
 前野先生のお話は、国語の教科書で読んだ人もいるかもしれません。
この4つのことは、一人でと言うより、仲間で!ということですね。つまり、どんな集団に属しているかで、その在り方が変わっていきます。

この4つを、本校に照らしてみると、例えば、

「やってみよう」は、何にでも果敢にチャレンジする力・勇気がある。
「ありがとう」は、お互い素直に友達に感謝をつたえられる。
「なんとかなる」は、みんなで協力して成し遂げる文化がある。
「ありのままに」は、個人を尊重し、素の自分をだせる安心がある。

 これらは、女子のみでの生活だからこそ、うまく育んできたものです。
 私は、伝統ある女子校のよさとして、本校の教育を支えているものと捉えています。

■ では、本校が目指している教育についてお話します。
  目指す学校像は「世界で活躍できる知性と教養、逞しさを備え、社会に貢献する高い志を持った女性リーダー」を育成することです。
  私たちは、将来、国内、国外を問わず、世界のどこかで活躍するリーダーを育成したい、と強い使命感を持って日々教育活動に臨んでいます。そうした点で、一女は、今ここにいらっしゃる中学生の皆さんが将来の夢の実現に向けて、視野を拡げ、教養を高めるために、更に大学で学んで欲しいと思っています。

■ しかし、大学に合格することだけを目標に3年間の高校生活を送るのかというと、決してそうではありません。私たちは大学合格後のその先を見据えた教育に本気で取り組んでいます。授業はもちろんのこと、SSHなどの探究学習、海外交流派遣、委員会による学校行事、そして部活動などバランスのとれた全人教育が伝統になっています。

■ 柔軟な発想で知恵を出し合い、みんなで協力し合って課題解決に取り組む場面は、いたるところで見受けられます。「学ぶ」と言うことが、学校全体の生活の中に散りばめられていて、一女生活そのものが学びになっています。
 一女で過ごす期間は約1000日。様々な経験によって、これからの時代を生き抜くための本物の教養を磨いてほしいと思います。

■ 以上、私から一女のPRをさせていただきました。
 どうぞ、今日は一女を楽しんでください。
 お忙しいとは存じますが、2学期以降の土曜日に開催している学校での説明会にもお越しいただけますと幸いです。
 授業や休み時間の様子、部活の取り組みなど、生徒の様子をご覧いただいたり、生徒に話しかけていただければと存じます。
 それでは、担当からの説明をさせていただきます。
 ご清聴、ありがとうございました。

8/7 校長室・華道部作品展(令和8年度・前期)

暦の上では「立秋」を迎え、季節は秋へと踏み出しました。
まだまだ陽射しは強いものの、早朝や夕暮れの風、空の雲の形にほんのわずかな季節の変化を感じる頃です。
幸い、今週は涼しさを感じる日もありました。
夏も後半戦。
日々重ねている地道な学びや練習の成果は、目には見えにくくとも、少しずつ、けれど確実に蓄積されています。
やがて訪れる本格的な秋に、大きな花を咲かせるための大切な充電期間が今。
わずかな変化を大事にしていきましょう!

さて、前期の華道部作品をご紹介します。
暫しの休憩をお取りください。


          【R8.4月】

        【R8.5月 母の日スペシャル】

          【R8.6月】

          【R8.7月】

7/24 海外リーダシップ研修(スタンフォード大学)に出発しました

晴れ首都圏進学校長会主催の標記研修会に本校生徒4名が参加しています。
サンフランシスコに向けて飛行機元気に飛び立ちましました!
(現地は、快晴・気温16℃ 猛暑とさよならデス興奮・ヤッター!
各校保護者の皆様、成田空港での見送りありがとうございます。

参加高校は、東京(日比谷、西)、神奈川(湘南、柏陽)、千葉(県立千葉、船橋)、埼玉(浦和、一女)。
参加の生徒たちは、5つの班に分かれて各校混合グループのチーム編成で8日間の研修に挑みます。
スタンフォード大学のステファン重松先生のmindfulnessに関する講座を受講します。

帰国後のオリエンテーション研修報告会会議・研修での皆さんの成長した姿を楽しみにしています。

出発にあたり一言挨拶をしました。

皆さん、こんにちは。浦和一女の山﨑です。
保護者の皆さま、ありがとうございます。
ISAの皆さま、大変お世話になります。
いよいよ出発です。皆さん、とても頼もしく、そして誇らしく見えます。
これから向かうのは、世界のイノベーションの中心地であり、多様なバックグラウンドを持つ人々が新しい価値を創造している熱気溢れる場所です。
今回の研修は、人生の転換点となるような濃密な数日間です。
なんでも、面白いと思い、自分のプラスにしてください。
道中気をつけて、行ってらっしゃいハート

校長室 華道部作品展(令和7年度)

今日は二十四節気の「大暑」です。
「大暑」は、暑さが最も厳しくなる頃をいいますが、全国的に「大暑」にふさわしい、厳しい暑さが続いてます。

さて、華道部の皆さん、いつもありがとうハート
毎月、校長室が華やかですキラキラ
昨年度の作品を一挙掲載しますNEW

涼をとりつつ、お楽しみくださいませお辞儀

       【令和7年.5月】

       【令和7年.6月】

       【令和7年.7月】

       【令和7年.9月】

 

   【令和7年.10月】

   【令和7年.11月】 

    【令和7年.12月】

   【令和8年.1月】

            【令和8年.2月】

            【令和8年.3月】

 

 

 

7/17 全校集会・校長講話「当たり前のもの」

明日から夏休み。
今日は前期のひと区切りの日です。
私たちが身につけたい力として、「タイムマネジメント(時間管理)」があります。
夏休みは、この時間管理をうまくやるチャンスです!
自分が自由にできる時間を有効につかいましょうキラキラ
校長講話は「当たり前のもの」

 

 皆さん、おはようございます。
今日で前期が一区切りです。日々の授業や学校行事、部活に全力で取り組んだ皆さんの姿を見ていて、皆さんが自分自身の「思考のエンジン」を大きく回してきたことを実感しています。

 さて、もうすぐ夏休みです。この時期、私たちは歴史の大きな節目を迎えます。
今日はお休みを前に、一冊の書物、そしてそこに刻まれたある若者の生き方について、皆さんと共有したいと思います。

 それは、『戦艦大和ノ最期』(講談社学術文庫)という本です。著者は、当時東京帝国大学の学生でありながら、学徒出陣によって戦艦大和の乗組員として召集された吉田満さんです。

 当時、彼は二十代の若者でした。東大での学問の道を中断され、巨大な鉄の塊である戦艦大和に乗り込み、死と直面する極限の状況に置かれました。彼が著した手記には、優秀な頭脳を持ちながら、国家の命運を背負わされ、仲間たちが次々と海へ沈んでいく様子が克明に綴られています。そこには、絶望的な状況下でも人間としての理性を失わず、最期まで誇り高くあろうとした若者たちの、凄まじい「覚悟」があります。

 吉田さんは、奇跡的に生還を果たしました。しかし、彼は戦後、その壮絶な体験を語り、書き残し続けることに人生を捧げました。それは、単に戦争の悲劇を訴えるためだけではありません。「命を燃やした仲間たちの生きた証を、自分が見届け、次世代へ伝えなければならない」という強い使命感によるものでした。戦後の混迷期にあっても、彼は平和を希求し、民主主義の礎となるべく、書くことを通じて社会と対峙し続けました。

 皆さんに伝えたいのは、この「覚悟」についてです。吉田さんたちが生きた時代は、自らの人生を自分で選ぶことが許されない時代でした。一方、今の私たちは違います。今の皆さんは、平和な社会の中で、自分の未来を自分で描き、切り拓くことができます。

 しかし、その「自由に選択できる未来」は、決して当たり前のものではありません。平和とは、無関心でいて守れるものではなく、一人ひとりが平和のために何ができるかを問い続け、自ら考え、行動することで維持されるものです。

 これから迎える夏休み、皆さんは部活動、勉強、あるいは家族との時間、様々な経験をするはずです。どうかその時間の中で、ふと立ち止まって考えてみてください。「今の自分は、自ら考えるエンジンで目的のところへ飛ぼうとしているか?」「自分は、将来どんな社会の担い手になりたいか?」と。

 皆さんは浦和一女という学び舎で、知性と教養を磨いています。その力は、単に自分のために使うだけのものではありません。吉田さんたちが守ろうとしたのは、まさに今、皆さんが享受しているこの「学びの場」であり、「未来を創る権利」です。
夏休みは、自分自身と対話する貴重な時間です。本を読むこと、あるいは、身の回りの社会の課題に目を向けること。皆さんがこれから創り出す未来は、今の学びの延長線上にあります。

 怪我や事故には十分に注意し、心身ともに充実した時間を過ごしてください。そして、夏休み明け8月27日に、より逞しく、よりしなやかな「自分の思考エンジンで飛びまわれる自由闊達な飛行機型の人間」として戻ってくることを心から楽しみにしています。

 それから、一点、連絡です。
11/24から2/23まで体育館のエアコン設置工事を行います。
この期間は、体育館がつかえないことと、工事車両の出入りがありますので注意してください。

 それでは、皆さんの夏が、実り多き時間となることを祈っています。

6/27 第2回教育関係者対象学校説明会・校長挨拶

本日は足元の悪い中、多くの皆様にお越しいただきました。
中学校、塾の先生方、ご来校ありがとうございます。
授業を見学いただいた後、本校のことや入試について説明をさせていただきました。

冒頭、私からの挨拶です。

■皆さま、こんにちは。校長の山﨑です。
 本日は、台風接近で天候の悪いなか、本校の説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

 また、本校の受検に向けて、日頃から中学校や塾の先生方に、本校を力強く応援していただいおりますことに厚く御礼申し上げます。実際に、本校生徒に「一女に来た理由」を尋ねると、例えば、先生方から「一女を受けてみないか」と勧められて受検を考えるようになったとか、「大丈夫だよ絶対に受かる」と励まされ、激推しされて頑張り続けたなど、皆様に背中を押されて頑張ってこれた生徒が少なくありません。

 ここにいらっしゃる先生方のお声がけが、本校との出会いとなり、生徒本人の人生にも大きな影響を与えているのだと感じています。

■さて、今年の中学3年生から入試が変わります。
マークシート方式の導入、国語の作文の廃止、各校による傾斜配点、そしてすべての高校で面接が実施されることなど、変更点があります。
私は、入試は選抜のための制度であると同時に、中学生へのメッセージでもあると考えています。

■例えば、5教科では、ある時期から「説明しなさい」という問題が出題されるようになりました。これは、答えだけでなく、なぜその答えになるのかを理解し、意味理解を伴った深い学びをしてほしい、という「学び方」に関するメッセージだったと受け止めています。

■今回、すべての学校で面接を行うことになりました。これは、入学後の学校生活に生きてくるものと期待しています。
 面接対策に多くの時間を割く必要はありませんが、ちょっと考えて欲しいことをお伝えします。

■面接は、なぜその学校に入りたいのか、入学後に何をしたいのか、高校での学びを通して将来どう生きたいのか。つまり、「自分は何者か」を考える機会です。
 私たち、大人も就職試験などで、「自己アピール」と言われたとき、「今までどうしてきたか、それを将来どう生かせるか」など、何を話そうか考え込んだりした経験があるのではないでしょうか。

■もちろん、受験勉強にまっすぐ向き合い、精一杯努力してきた中学生、大歓迎です。そのうえで、面接をきっかけに、「なぜ一女を受けるのか」「一度きりの人生で何を実現したいのか」と、少し立ち止まって考えて欲しい。

 こういった自分の在りようを考えてみると、人生100年時代に、一女が大事にしていること。つまり授業、行事や部活など様々なことに一生懸命に取り組む全人教育による人間形成のよさを、わかっていただけるのではないかと強く思います。

■本校の「入学者選抜実施内容」の面接の「自己評価資料学校独自項目」のところには、「これまでの自身の活動を振り返り、高い志を持ち続け、粘り強く努力し続けた経験について書いてください」とあります。

 これは、高校入学後に「高い志を持ち続け、粘り強く努力し続けて欲しい」という本校からのメッセージです。同時に、大学受験に向けて本校が大事にしていることです。

 「高い志を持ち続け、粘り強く努力し続ける」ことは、いままさに取り組んでいる目指す高校への受験勉強そのものです。つまり、受検で頑張り続けたことを話せばよいので、面接対策はなんら必要ないですね。

■おわりにですが、中学校や塾の先生方には、中学生むけの学校説明会にもご参加いただきたいと思っています。中学生や保護者の雰囲気、アナウンス部制作の学校紹介動画やOGによる座談会などもあります。先生方の進路指導の参考になるかと存じます。
その際、お手数ですが、教頭にご一報いただけますと幸いです。

 それから、今年度体育館にエアコン設置の工事を行います。一女は来年度から体育館にエアコンがあるらしいよ、と生徒のみなさんにお伝えください。

 それでは、このあと、教頭から本校および入試について説明いたします。

6/13 第1回学校説明会・校長挨拶

多数の皆さまにご参加いただきました。
貴重な時間を割いてご来校いただいたことと存じます。
ありがとうございました。
はじめに、音楽部の生徒による演奏(合唱)キラキラをお聴きいただきました。
音楽感動3ツ星

私から皆様へのご挨拶です。

■ 皆さま、おはようございます。校長の山﨑正義です。
  本日は、今年度第1回の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。

  保護者の皆様におかれましても、お忙しい中、本校に足をお運びいただきました。重ねて御礼申し上げます。

■ さて、今日は一女に入学しなければ体験できない、他の学校にはない一女の教育活動をたっぷりとお伝えします。
生徒に聞くと、説明会にきてみて、一女に決めたという先輩がたくさんいます。良さを感じるところは、この体育館でのお話かもしれませんし、校内を回っての授業や生徒の様子かもしれません、今日はすみずみまでご覧ください。
この後、各担当から詳細についてご説明しますので、私からは、校長として、女子校のよさと、それに基づいた本校の教育について、お話します。

■ まず、本校は1900年(明治33年)に創立され、今年126年目を迎えました。
 県内はもちろん全国的にも最も伝統のある女子高校の一つです。やはり伝統校ならではの落ち着いた雰囲気や環境が本校の魅力の一つです。

■ 現在1,072名の生徒が在籍しています。全員、女子です。
この女子のみというところが、勉強、部活や行事など、学校生活を送る上でのよさにつながっています。
女子のみで学校生活を送っていることで、例えば、生徒は、こんなふうに言っています。
「異性を気にせず生活できる。」
「自分が女子であることを意識しない。」
「ありのままの自分でいられる。」

 これは、一人の人として接するということであり、一人ひとりがのびのびとやれる環境があるということです。
ここにいる皆さんも同じだと思いますが、しっかりとした人は、自分のことを考えると伴に、他者への配慮もできる。本当の意味で、切磋琢磨して人間的な成長につながる集団が形成されていきます。

■ ここで、慶應大学の教授、前野隆司(たかし)先生たちが科学的に研究されている、「幸福学」についてご紹介します。幸福学は、ウエルビーングとも言われていますね。
この前野隆司先生たちが提唱している「幸せの4つの因子」というものがあります。
 (1)「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
 (2)「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
 (3)「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
 (4)「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)

 この4つのことは、一人でと言うより、仲間で!ということですね。つまり、どんな集団に属しているかで、その在り方が変わっていきます。

 この4つを、本校に照らしてみると、例えば、

「やってみよう」は、何にでも果敢にチャレンジする力・勇気がある。
「ありがとう」は、お互い素直に友達に感謝をつたえられる。
「なんとかなる」は、みんなで協力して成し遂げる文化がある。
「ありのままに」は、個人を尊重し、素の自分をだせる安心がある。

 これらは、女子のみでの生活だからこそ、うまく育んできたものです。
 私は、女子校のよさとして、本校の教育を支えているものと捉えています。

■ では、本校が目指している教育についてお話します。
  目指す学校像は「世界で活躍できる知性と教養、逞しさを備え、社会に貢献する高い志を持った女性リーダー」を育成することです。
  私たちは、将来、国内、国外を問わず、世界のどこかで活躍するリーダーを育成したい、と強い使命感を持って日々教育活動に臨んでいます。そうした点で、一女は、今ここにいらっしゃる中学生の皆さんが将来の夢の実現のために、視野を拡げ、教養を高めるために、更に大学で学んで欲しいと思っています。

  しかし、大学に合格することだけを目標に3年間の高校生活を送るのかというと、決してそうではありません。私たちは大学合格後のその先を見据えた教育に本気で取り組んでいます。授業はもちろんのこと、SSHなどの探究学習、海外交流派遣、委員会による学校行事、そして部活動などバランスのとれた全人教育が伝統になっています。

■ 柔軟な発想で知恵を出し合い、みんなで協力し合って課題解決に取り組む場面は、いたるところで見受けられます。学ぶと言うことが、学校全体の生活の中に散りばめられていて、一女生活そのものが学びになっています。
一女で過ごす期間は約1000日。様々な経験によって、これからの時代を生き抜くための本物の教養を磨いてほしいと思います。

■ 以上、私から一女のPRをさせていただきました。
 どうぞ、今日は一女を楽しんでください。
 自慢の生徒です。直接、話しかけてみてください。
 それでは、各担当からの説明をさせていただきます。

 それから最後に、今年度、体育館にエアコンが入る予定です。来年度から使えるようになると思います。

 4月に皆様にお会いできることを楽しみにしております。

 

6/1 朝礼・校長講話「あなたの脳は、あなたをだましている」

 【昇降口下の紫陽花】

今日は6月朝礼晴れ
みずみずしい新緑に包まれた5月が颯爽と過ぎていきました
校内の紫陽花がきれいに色づいていますキラキラ

校長講話は、「あなたの脳は、あなたをだましている」
私たちは、ときとして不合理な選択をしてしまうことがわかっています
生徒の皆さんには、自分の頭とうまく付き合って、勉強もうまくなって欲しい!
参考図書は、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」ハヤカワ

みなさん、おはようございます。
突然ですが、問題です。よく聞いてください。よいですか。では、

Q バットとボールを合わせると1100円です。バットはボールより1000円高い。ボールはいくらでしょう?

頭の中に、すぐ「100円」という答えが浮かんだ人はいますか?

実は、正解は 50円 です。

「100円」と答えた人、安心してください。ハーバード大学の学生でも半数以上が同じ間違いをしました。これは頭が悪いのではありません。脳の仕組みそのものの話です。

●システム1とシステム2
今日は、この本、認知心理学者のダニエル・カーネマンによる「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」をもとにお話しします。とても面白いので、オススメです。ダニエル・カーネマンは、専門は意思決定論、行動経済学、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

このダニエル・カーネマンは、私たちの思考には2つのシステムがあると言いました。

一つは 「システム1」―― ファスト思考。速い思考
瞬時に、自動的に、ほとんど無意識に働きます。
例えば、「1+1は?」「朝のSHRで担任の顔を見て、機嫌悪そうだな、危険を感じる」、そういった判断です。エネルギーをほとんど使いません。そして、私たちの日常の選択の大半は、実はこのシステム1が行っています。

もう一つは 「システム2」―― スロー思考。遅い思考。
論理的に、じっくりと、意識的に考えます。
複雑な計算、慎重な判断、新しい概念の理解。これがシステム2の仕事です。しかし、疲れる。時間がかかる。だから脳はできるだけこれを使いたがらない。

先ほどのボールの問題で「100円」と答えてしまったのは、システム1(速い思考)が「1100円と1000円から100円っぽい」と瞬時に結論を出し、システム2(遅い思考)がそれを検証しなかったからです。

●私たちが気づかずにハマっている「罠」
カーネマンはシステム1が引き起こす、いくつかのバイアス(思考の歪み)を明らかにしました。みなさんの学習にも、深く関わるものを三つ紹介します。

① 「わかった気」になる罠 ―流暢性の錯覚
教科書を読んでいて、「あ、わかった」と感じたことはありますか? でも、いざテストで問われると書けない。

これは、読むことと理解することを、脳が混同するからです。文字がスラスラ読める=内容が理解できた、とシステム1が誤解する。本当の理解かどうかを確かめるには、本を閉じて自分の言葉で説明してみるしかありません。「人に教えられるか」が、本物の理解の基準です。

② 「最初の印象」に引きずられる罠 ―アンカリング
模試で偏差値55を取った。「自分は55くらいの人間だ」と、その数字が頭に刻まれる。次に50を取ると「やっぱり自分はこの程度か」と落ち込む。

これがアンカリングです。最初に与えられた数字や情報が「錨(いかり)」となり、その後の判断を縛る。一度の点数があなたの可能性の天井ではありません。数字はあなたの現在地であって、あなた自身ではない。行きたい大学を目指せ!

③ 「努力しているから成長しているはず」という罠 ―確証バイアス
一生懸命勉強している。だから実力はついているはずだ―そう信じたい気持ちは自然です。しかしシステム1は、自分の信念を支持する情報ばかりを集め、反する情報を無視しようとします。
自分の信念を支持する情報といえば、AIの回答は質問した人に肯定的な回答を返してくる傾向がありますね。AIに相談するときは、確証バイアスに要注意です。

「なんとなくわかった」で終わっている演習、答え合わせで○をつけただけの問題。それは本当に身についていますか? 自分への問いかけが必要です。

では、どうすればいいのか

カーネマンのメッセージは「システム1を信じるな」ではありません。
システム1は私たちが生きていくために不可欠な、素晴らしい能力です。
彼の主張は、

「重要な場面で、立ち止まれ」

ということです。

学習の場面でいえば、こういうことです。

システム1に任せてしまいがちな場面 システム2を意識的に動かす習慣
 「読んでわかった気になる」  本を閉じて、白紙に書き出す 
 「解説を見てわかった気になる」  翌日、何も見ずに再挑戦する
 「なんとなくこの答えっぽい」  「なぜそうなるか」を言語化する
 「自分はこの程度の人間だ」  「今日の自分は昨日より何が変わったか」を問う

こういうことは、いつも先生から言われていることですね。

●最後に
みなさんは今、「考える力」そのものを鍛える場所にいます。

システム1の「なんとなく」に気づき、システム2の「待てよ、本当にそうか?」を発動させる。その習慣こそが、難問を解く力であり、受験という選択を超えて、これからの人生で本物の判断力になります。

「速く答えを出せる人」より、「立ち止まれる人」が、長い目で見て賢い。

脳は、楽をしたがります。でも、あなたはその脳の主人公です。

今日から勉強するとき、「これは本当にわかっているか?」と、一度立ち止まってみてください。

その一瞬の問いかけが、あなたの思考を、確実に変えていきます。
思考の論理エンジンを磨いていこう!

(参考:ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』村井章子訳、早川書房)

4/22 SSH開講式(挨拶)

  

1年生SSH開講式理科・実験会議・研修を開催しました。
知的好奇心を源泉とした「勉強をもっと楽しみたいひらめき」生徒たちのわくわく感キラキラが伝わってきました。
私からの挨拶です。

こんには、SSH開講式にあたり、お話します。
1年生の皆さん、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の世界へようこそ。
一女にきたら、SSHに取り組んでみたいと思っていましたか!?
それは、素晴らしいですね。きっと、「勉強をもっと楽しみたい!」というみんなの思いがあることでしょう。
今日から始まるこのプログラムは、今まで知っていたと思うことや未知のことに対して、新たな視点を獲得する「知のフロンティア」への入り口です。
それでは、これから3つ話します。

1. 知的好奇心こそ、最高の贅沢である
「なぜだろう」「どうしてこうなるのか」という疑問を抱き、その答えを探究する。この知的好奇心は、人間だけに与えられた最も贅沢な「知的営み」であり、何物にも代えがたい「楽しみ」です。
未知の事柄に出会ったとき、「難しい」と身構えるのではなく、「面白い!」と目を輝かせる。そんな知的なワクワク感を、このSSHの活動の中で存分に味わってください。

2. 「面白がること」の才能を磨く
研究には、壁がつきものです。再現実験をしてもうまくいかなかったり、予想外の結果が出たり、仮説が外れたりすることもあるでしょう。しかし、そんな時こそ「さて、ここからが面白くなってきたぞ」と笑える強さを持ってください。何事も「面白がって取り組む」姿勢は、創造性を生む最大のエンジンです。楽しんで取り組んでいる人には、誰も適(かな)いません。

3. SSHは「教科書の学び」を加速させる
「SSHの研究と、普段の授業の勉強は別物だ」と考える人がいるかもしれません。しかし、それは違いますね。SSHで探究の深さを知れば、普段、無機質に見えていた「教科書の一行」が、科学者たちの情熱や歴史の積み重ねに見えてくるはずです。研究で得た視点は、必ず皆さんの学習をより深く、より楽しいものへと変えてくれます。

おわりに
 今日は3つ話しました。「知的好奇心こそ、最高の贅沢」「面白がることの才能を磨け」「SSHは「教科書の学び」を加速させる」
 これらSSHの活動は一人では成し遂げられません。共に議論し、時には対立し、支え合って一つの課題に挑む仲間を大切にしてください。ここで結ばれた絆は、同じ志を持つ一生の宝物になります。互いの個性を尊重し、高め合える集団であってください。
皆さんの探究心が、新しい未来、新しい自分を切り拓く力になると信じています。みなさんの瑞々しい感性で、この世界を遊び尽くそう! 頑張れ!