校長室ブログ

校長室より

8/23 処暑

蝉の声から、いつしか秋の虫の音へと主役が移り変わる季節となりました。
本日は「処暑」。厳しい暑さの中にも、どこか心落ち着くような秋の気配が漂い始めています。
天気予報によると、東日本では、ここ30日間の平均気温は例年より低め、降水量も多いとのこと。
ただ、残暑晴れが厳しそうですね。台風が4つ発生していて動きが気になります。
新学期は、9月4日ですので、あまり無理せず体調を整えていきましょう!

8/7 立秋

暦の上では「立秋」を迎え、季節は秋へと踏み出しました。
まだまだ陽射しは強いものの、早朝や夕暮れの風、空の雲の形にほんのわずかな季節の変化を感じる頃です。
幸い、今週は涼しさを感じる日が続きました。
夏も後半戦。
日々重ねている地道な学びや練習の成果は、目には見えにくくとも、少しずつ、けれど確実に蓄積されています。
やがて訪れる本格的な秋に、大きな花を咲かせるための大切な充電期間が今です。
わずかな変化を大事にしていきましょう!

7/23 1学期終業式・講話「当たり前のもの」


    【終業式直前の校舎】

今日は二十四節気の「大暑」です。
「大暑」は、暑さが最も厳しくなる頃をいいますが、全国的に「大暑」にふさわしい、厳しい暑さが続いてます。
明日からの夏休みは、避暑につとめてください。
体調管理が大事ハート

終業式に先立ち、バスケットボール部の表彰がありましたお祝い
皆さん、1学期(4月から4か月)よく頑張りました3ツ星

以下、私からの話は「当たり前のもの」。

 皆さん、こんにちは(こんばんは)。今日で1学期が終わります。いま、バスケットボール部の表彰がありました。 勉強や行事・部活を両立させながらの、4月から4か月間、皆さんの努力に、心から敬意を表します。よく頑張りました。

 今日は、暦の上では「大暑」。大きく暑いと書きます。本当に厳しい暑さです。皆さんの体調は大丈夫ですか。明日からの夏休み、体調管理を大事にしてください。

 そんな夏休みを前に、一人の若者と一冊の本の話をさせてください。 本の名前は『戦艦大和の最期』。作者の吉田満(よしだ みつる)さんは、当時大学生でしたが、戦争によって巨大な船「大和」に乗ることになりました。

 明日をも知れない激しい戦いの中で、彼は「自分たちは何のために、どう生きるべきか」を必死に考え続けました。吉田さんは奇跡的に助かりましたが、戦後は亡くなった仲間たちの思いを伝えるために、一生をかけて平和の大切さを書き続けました。
 
 彼が命がけで守ろうとしたのは、今の皆さんが持っている「自由に学び、自分の未来を自分で決める権利」です。
今、私たちは平和な時代にいます。でも、この平和や自由は、当たり前にあるものではありません。一人ひとりが「どう生きるか」を考え続けることで守られるものです。

 ここで、私は皆さんに、「グライダー」ではなく「飛行機」であれと伝えたい。グライダーは、エンジンがついてないので、誰かにひっぱってもらわないと飛び立てない。
 一方、飛行機は自分のエンジンで行きたいところに自由に飛び立ちます。誰かに引っ張られるのではなく、自分で考える力、つまりエンジンを回して、行きたいところへ自由に飛んでいく。飛行機のように自分の行きたいところへ行ける、そんな考えるエンジンを身に付けてほしい。

 夏休み、少し立ち止まって自分に問いかけてみてください。 「自分はこれから、どう生きたいか?」「自分で考えることのできるエンジンを回せているか?」。

 皆さんは一女で、知識だけでなく、困難を乗り越える「人間力」を磨いています。たとえスランプやつらいことがあっても、「したたかに、しなやかに」、何度でも立ち上がってください。

 それでは、事故や健康には十分に気をつけて、充実した夏休みを過ごしてください。2学期の始業式に、また皆さんの元気な笑顔に会えることを楽しみにしています。

6/1 紫陽花がきれいです

       【昇降口したの紫陽花】

6月になりましたひらめき
みずみずしい新緑に包まれた5月が颯爽と過ぎていきました
校内の紫陽花がきれいに色づいていますキラキラ

 

 

4/17 新入生歓迎会を開催しました

 

    【開幕前】                                   【いよいよ開幕】
 

 【先生方によるハンドベル】   【新入生担任の先生の歓芸】

4月17日(金) 生徒会主催による お祝い新入生歓迎会が開催されましたキラキラ
生徒会の皆さんが司会、ダンス部によるウエルカムステージで開会しました!


音楽生徒役員紹介、校歌紹介、校内動画での紹介、委員会紹介、部活動紹介
音楽歓迎ステージは、ダンス部ステージ、先生方のハンドベルなどなど…虫眼鏡
新入生の皆さん、先輩の皆さん、先生方、みんなが楽しめた新入生歓迎会でした了解

私からの開会挨拶です。
 

新入生のみなさん、入学式から七日目です。
今週は、月曜日から1週間ありました。
いまの気持ちはいかがですか!

学校の中がどうなっているのか、慣れてきましたか?
授業も少し始まったけど、身体測定、検診とか、毎日が慌ただしく過ぎている 

新しい生活は、少し疲れがあるかもしれません。
でも大丈夫、それは新しい環境で、皆さんが成長している証(あかし)です。
少しずつ、頑張っていきましょう!

また、この会を準備してくれた上級生のみなさん、先生方、心温まる歓迎をありがとうございます。

上級生は、新入生のみなさんからみると、頼もしい先輩たちです。
先輩が、今日こうして笑顔で後輩を迎えてくれている姿こそが、新入生にとって一番の安心材料です。これからも素敵な先輩として、後輩を導いてあげてください。

それでは、新入生歓迎会をみんなで楽しみましょう!
どうぞよろしくお願いします。

4/9 入学式・式辞

桜花爛漫の中、期待を胸にお祝い新入生17名が入学しました。

入学にあたり式辞を送りました。

 

式辞

新しい命が芽吹き、若葉が萌える春がめぐってまいりました。
この春の佳き日に、
   PTA会長 山本 紀恵(やまもと のりえ)様
   麗風会会長 栗原 美恵子(くりはらみえこ)様をはじめとした、ご来賓の皆様の御臨席を賜り、また保護者の皆様ご出席のもと、            
令和八年度 埼玉県立浦和第一女子高等学校定時制の課程 入学式を挙行できますことは本校関係者一同にとりまして大きな喜びです。

保護者の皆様方におかれましては、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。
さて、ただ今、入学を許可いたしました新入生の皆さん、入学   おめでとうございます。在校生、教職員一同、皆さんを心から歓迎  いたします。

本校は、明治三十三年に創立された県内で最も古い女子校です。定時制課程も昭和二十三年に開設されて以来長い歴史を持っています。

今日から皆さんは、この伝統ある浦和一女定時制の生徒です。一人一人が自覚をもって、これからの四年間、前向きに学校生活を送ってください。
今日からのスタートにあたり、皆さんに心がけてほしい二つのことについて、お話しいたします。

一つ目は、「授業がいのち」ということです。学校生活で一番多くの時間を過ごすのが、授業です。授業は、四五分で、それを一日四時間です。一時間、一時間真剣に取り組みましょう。集中していると、あっというまに終わってしまいます。

そして、勉強は、続けることが大事。自分の勉強のペースでゆっくりでいいから、あわてず、あきらめず、続けていきましょう。皆さん、「継続は力なり」です。

私は、この「継続は力なり」、本当にそうだな、と思うのです。
毎日のことだと、あまりやりたくない、ということもあるかもしれない。また、結構頑張ったのに、うまくできないので、やってもだめだなぁ、と思うこともあるかもしれない。こういうことは、誰にでもあるものです。

そんなとき、まぁしょうがないなぁ、もう少しやってみるかとか、もうちょっと頑張ってみるかとか、あきらめないでやってみる、その積み重ねが皆さんの力として身につくものです。

ここで、もう一つ大事なことは、皆さんが一人で頑張るのではないということです。
一緒に頑張る友達がいますね。大変なときは、きっと自分だけではなく友達も大変でしょう。その気持ちを共有して、お互い助け合いましょう。一緒にがんばるきっかけになります。

また、先生方は、皆さんの一番の応援団です。皆さんがわからないところを丁寧にわかるまで教えてくれます。就職にしても進学にしても、各自の進路実現に向けて寄り添っていきます。皆さんも、何度も何度も聞いてください。一人一人に応じて、きめ細かい指導を行えることが定時制の良さです。

二つめは、「常に安心、安全を心がけてほしい」ということです。交通事故や怪我などに十分注意し、インフルエンザなどの感染症にも気をつけて、様々な危険を回避する術を身に付けてください。

いじめの被害を防ぐことも大切です。一人一人が自分自身の命を大切にすること、そして他者の命を大切にすることを心に留めてほしいと思います。優しい気持ち、思いやりの気持ちをお互いに持つと、それはやがて自分自身にかえってくるものです。

また、悩んだときや苦しいときは、一人で抱え込まず、友達や先生方にも相談してください。先生方も親身になって相談相手になってくれます。そのような友だちや先生方との交流が、皆さんの人生の宝になります。
登下校に関しましては、夕方から登校し、夜遅くに帰宅することになります。交通事故やケガなどに十分注意してください。
 
結びに、新入生の輝かしい成長を心からお祈り申し上げ、式辞といたします。

令和八年四月九日
埼玉県立浦和第一女子高等学校長 山﨑 正義

4/8 1学期始業式・校長講話

桜花爛漫、桜の花びら舞う佳き日キラキラ
令和8年度 着任式・1学期始業式グループを迎えることができました!
校長講話は、「出会いの素晴らしさ」「継続は力なり」「女性活躍推進法」そして「安心・安全」について話ました。

 

1. 新たな出会いを「力」に
皆さん、あらためまして、こんにちは。
先ほどの着任式で、新しい先生方との出会いがありました。一方で、お世話になった先生方との別れもあり、寂しさを感じている人もいるでしょう。そう思えるのは、皆さんがその先生と「よい出会い」ができた証拠です。その感謝を胸に、今日からの新しい出会いも大切にしていきましょう。

学校には、「ここで学びたい」という同じ目的を持った仲間が集まっています。偶然出会った仲間が、お互いに刺激し合うことで、一生の宝物になる「必然の出会い」へと変わっていきます。ぜひ、自分から仲間を広げていってください。

2. 「継続は力」
一つ目にお伝えしたいのは、「授業がいのち」であるということです。
学校生活で最も長い時間を過ごす授業を、まずは大切にしましょう。勉強を続けるコツは、「あわてず、あきらめず、自分のペースで」です。「継続は力なり」と言いますが、やる気が出ない日や、頑張っても結果が出ない日があるのは当たり前です。

そんな時、「まあ、あと少しだけやってみようかな」と踏みとどまる。その積み重ねが、卒業する頃には皆さんの中に大きな自信として育っています。一人で頑張る必要はありません。隣には同じ苦労を分かち合える友達がいて、前には皆さんの「一番の応援団」である先生方がいます。何度でも質問して、一歩ずつ進んでいきましょう。

3. 多様な生き方を応援する社会へ
ここで、今の社会の動きについても一つお話しします。
最近、「改正女性活躍推進法」という法律が、より多くの企業で守られるようになっています。これは、性別に関わらず、誰もが自分の希望する道を選び、家庭と仕事を両立しながら、その能力を最大限に発揮できる社会を目指すためのものです。

皆さんの周りにも、働きながら学んでいる人や、将来のキャリアについて考えている人がたくさんいるでしょう。社会は今、一人ひとりの多様な生き方を尊重し、応援する方向へ確実に動いています。皆さんがこれから歩んでいく未来は、「自分らしさ」を大切にできる場所であってほしい。学校での学びもまた、その未来を切り拓くための大切な準備なのです。

4. 安心・安全がすべての土台
二つ目は、「常に安心、安全を」ということです。
夕方に登校し、夜遅くに帰る皆さんの生活では、交通事故や怪我に十分な注意が必要です。また、心の安全も同じくらい大切です。他者を思いやる気持ちは、巡り巡って自分自身の安心につながります。もし悩んだり、苦しくなったりした時は、一人で抱え込まず、いつでも先生や友達を頼ってください。

むすびに
今日は「出会いの素晴らしさ」「継続は力なり」「女性活躍推進法」そして「安心・安全」についてお話ししました。
明日は入学式です。新入生は、目標を持って頑張る皆さんの姿をお手本にします。一生懸命な姿は、必ず誰かの信頼と尊敬を集めます。後輩たちにとって、皆さんが「素敵な先輩」として出会えるよう、一日一日を大切に過ごしていきましょう。

令和7年度修了式校長講話「ドーナツの穴から広がる「考える楽しさ」」


  【昇降口下の桜】

校内の桜が開花していますキラキラ
4月の入学式、始業式に歓迎してくれると嬉しいですね。

本日の修了式では、「議論の楽しさ」について、「ドーナツの穴だけ残して食べる方法」という本をもとにお話しました。

皆さん、こんにちは。
今日は1年間の最終日、修了式。一区切りをつけて、次のステップに向かうときです。この1年、学校生活をやり遂げた皆さんの顔を見て、私も清々しい気持ちです。本当によく頑張りましたね。

今日は皆さんに、「人と話し合うこと(議論)の本当の楽しさ」についてお話しします。

突然ですが、皆さんに一冊の本を紹介しましょう。大阪大学の研究者たちが、真面目に、かつ遊び心を持って話し合った、『ドーナツの穴だけ残して食べる方法』という本です。「そんなの物理的に無理だよ」と切り捨ててしまうのは簡単ですが、この本に登場する先生たちは違います。

* 数学の先生は、ドーナツの形(トーラス)のルールから考えました。
* 工学の先生は、穴を「空間」としてどう残すかを考えました。
* 美学の先生は、「穴があるからこそドーナツである」という存在の意味にまで踏み込みました。
一見、無駄に見える「問い」を本気で話し合うことに、どんな価値があるのか。3つのポイントでお話しします。

一つめ。相手の「メガネ」を借りて世界を見よう
「議論」と聞くと、相手を言い負かすことや、一つの正解を出すことだと思っていませんか? もしそうなら、それは大きな誤解です。
本当の面白さは、「一つの問いに対して、色々な見方が交じり合う瞬間」にあります。

自分一人では決して気づけなかった「新しい視点」を、友達の言葉を通じて手に入れる。それが議論の醍醐味です。自分とは違う意見に出会ったとき、「それは違う」とはねつけるのではなく、「なぜ、この人にはそう見えるのだろう?」と問いかけてみてください。その瞬間、皆さんの見ている世界の解像度はぐっと上がります。

二つめ。「知識」は自分の身を守る武器になる
本校で学ぶ皆さんが、本当の意味で話し合う力をつけるために、大切なことが2つあります。

一つは、「しっかりとした基礎学力」という武器を持つことです。
「なんでこんな勉強をするの?」と思うかもしれません。しかし、知識という足場がなければ、話し合いはただの「感想の言い合い」で終わってしまいます。皆さんが日々向き合っている数学の公式や英語の文法などは、将来、誰かと対等に話し合い、新しい価値を生み出すための「共通言語」であり、皆さんの「武器」なのです。

もう一つは、「知的誠実さ」という作法です。
これは、「わからない」を恐れない勇気のことです。話し合いの場で一番恥ずべきは、知ったかぶりをしたり、相手をやり込めることだけにこだわることです。自分の考えが間違っていたら素直に認め、相手の優れた意見を吸収する。この誠実さこそが、話し合いを良いものにします。

三つめ。「答えのない問い」を面白がろう
これからの社会では、AIがすぐに「もっともらしい答え」を出してくれるようになります。しかし、「自分たちで問いを立てること」や「納得できる答えを紡ぎ出すこと」は、人間にしかできません。
例えば友達と、「もし重力がなかったら?」という仮説を話し合ったり、歴史の出来事に対し「もし別の道を選んでいたら?」と想像したりしてみてください。
一人で机に向かう時間は大切です。しかし、その考えを誰かにぶつけ、揉まれることで、学びは初めて皆さんが使える知識となり、輝きを放つのです。

おわりに、この春休みという時間を使って、ぜひ多くの「問い」に出会ってください。そして、それを家族や友達、あるいは自分自身との対話につなげてみてください。
「ドーナツの穴」を真剣に論じる大人がいるように、皆さんも「正解のない問い」を愛せる人になってほしいと願っています。

1年間、本当によく頑張りました。4月、また一回り大きく成長した皆さんと再会できることを楽しみにしています。

第77回卒業証書授与式「式辞」

 

  お祝い卒業
 生徒が、立派に巣立っていきましたキラキラ
 式辞を送りました。

 校内の杜に、春の訪れを感じる今日の佳き日に麗風会会長の栗原 美恵子様、PTA会長の山本紀恵様をはじめとして、多数のご臨席を賜り、「第七七回卒業証書授与式」を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましても この上ない喜びです。
 心より 感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与しました卒業生の皆さん、卒業 おめでとうございます。四年間にわたる 努力と成長に敬意を表します。

 思い返すと、6年前、新型コロナ感染防止の対応が始まりました。日常を取り戻した今となっては、昔のことのようですが、皆さんにとっては、大事な中学から高校生活にかかる頃です。大変な思いがありました。

 疾風に勁草を知る。苦難にあってはじめて、各自のよさがわかります。みなさんの成長につながるものであったと確信しています。
 卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。皆様には、PTA会員として、本校の教育活動に対し、温かいご理解とお力添えをいただきました。厚く御礼申し上げます。

 さて、卒業生諸君、これからをどうしていくか。
 皆さんの強みは、本校での学びにより様々な資質・能力を身につけていること。教科で学んだ知識をはじめとして、粘り強く、あきらめずに最後までやり遂げる力など、人間として大きく成長しています。

 そして、その知識・技能をもとに、自分の希望を実現するため、これから自分のやりたいことに 何でも挑戦していけること。挑戦しようと思えば、何度でも その機会があることです。

 しかし、それは同時に、まだ 何者でもない という弱みでもあります。

 就職する人は、そこで精一杯頑張ろうと決めているでしょう。進学する人はもう少し自分と向き合ってみて、将来を考えてみようと思っているかもしれません。

 ここで、私のことを少し話します。私は 大学を卒業して、民間企業に就職しました。しかし、数学の教師になりたいという思いがあって、その会社を辞めて教員採用試験を受けることにしたのです。

 会社を辞める時は、結婚をしていたし、小さな子もいました。そして就職超氷河期。そんな状態で、会社を辞めるとなったら、賛成してくれる友人や知り合いは殆どいませんでした。

 そんな中、高校時代の担任に相談しました。その担任である恩師は、「そんなにやりたいんだったら 頑張れ、お前なら いい教師になれるよ」、と励まし、応援してくれたのです。

 そして、「お前、覚悟はあるのだろうな」と言われたのです。覚悟、とは重い、重い言葉でした。また、私の妻も賛成して、応援してくれたのです。すばらしい妻だと思っています。私は、応援してくれる人がいて精一杯、頑張ることができました。

 その後、教師になって、本当によかったと思っています。今日ここでこうやって、皆さんに、式辞を送っています。皆さんの卒業を祝福することができて、とても幸せです。皆さんとの出会いに感謝申し上げます。

 まだ、何者でもない皆さんは、卒業後、様々な経験を積む中で、更に成長していきます。ひょっとしたら、今は意識していないような「本当になりたいもの」があるかもしれません。

・ここで、神戸女学院大学の内田樹さんの話を紹介します。

・スティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業式の祝辞で こう言いました。「一番大切なのは、あなたの「心と直感」に従う勇気だ。なぜなら、あなたの「心と直感」は、あなたがほんとうは何になりたいのかを知っているから。」

・内田さんは、ここで大切なのは「心と直感」ではなくて「それに従う勇気」だと言います。

・勇気が要るのは「あなたが 本当になりたいもの」になろうとすると、周りの人がおおかた反対するからです。心と直感に従うことを、周り中が賛成してくれたら、勇気なんか要りません。「そんなこと止めろ。力づくでもとめるぞ」とみんなが言うから、それに抗うには勇気が要るのです。

・この内田さんの話は、私の経験から「なるほど、そうだよな」と思うところがありました。「自分で、これいいな、やってみたいな」と思っても、今を考えると躊躇することが多いものです。自分の心と直感にしたがう勇気は、なかなか出しにくいかもしれません。

 保護者の皆さま、お子さんが自分の気持ちを伝えに来たときは、背中を押して、応援してあげてください。

 人生は平坦ではありません。
嬉しいこと、楽しいことがある中で、どうしようか悩むこともありますね。
 最後は、自分のことは、勇気と覚悟をもって、自分で決めるのですが、その前に誰かに相談できるとよいですね。


 みなさん、迷ったり、困ったら相談をしにおいで。一女定時制の先生は応援しています。そしたら、その応援に応えるように、また頑張れるでしょう。

 ゲーテのこんな言葉もあります。「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」。
 言葉は、その時の気持ちを支えてくれたり、勇気づけてくれたりします。


 本校の卒業生は皆さんを加え、三四、九三三名となりました。およそ三万五千人の一女卒業生が、社会を支えています。

 みなさんも、そんな卒業生の仲間入りです。卒業生同士のつながりも大事にしてください。

 日本は、課題先進国といわれ、超高齢化社会が世界最速で進んでいます。人口減少や産業構造の変化もあります。AIなどの技術革新が速く、これから学ばねばならないことがたくさんあります。

 次の世代を支えていくのは、皆さん。これから、一緒に頑張っていきましょう。

 皆さんの これからの着実な歩みを 心から願いまして 式辞といたします。

 令和八年三月十三日
 埼玉県立浦和第一女子高等学校長
 山﨑 正義                            

3学期始業式・校長講話「やってみよう!」

皆さん、あけましておめでとうございます。
2026年の新年を皆さんと共に迎えられたことを、心から嬉しく思います。冬休み中、大きな事故や怪我の報告もなく、今日この場所に皆さんといること、それが何よりの喜びです。

さて、新しい年が始まるとき、私たちはよく「今年はどんな年にしようか」と抱負を立てます。皆さんは、どんなことを思っているでしょうか。今日は、この一年の始まりにあたり、皆さんに二つのことをお話ししたいと思います。

❶「幸福学」が教えてくれる、本当の幸せとは
一つ目は、「幸福学(ウェルビーイング)」についてです。幸福学は学問領域のひとつ。ちょっと固いけどウェルビーイングなら聞いたことあるでしょう。
「幸せ」というと、何か棚ぼた式に良いことが起きるのを待つことだと思われがちですが、近年の研究では、幸せには明確な「メカニズム」があることが分かっています。
私は、幸せに「メカニズム」があるということに驚きました。このメカニズムを知るわかりやすい本として、講談社現代新書の「「幸せのメカニズム」実践・幸福学入門」という前野隆司(たかし)さんの新書がオススメです。
特に、慶應義塾大学の前野隆司教授らが提唱している「幸せの4つの因子」は、皆さんの学校生活にもすぐに応用できるものです。その4つとは、
(1)「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
(2)「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
(3)「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
(4)「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
皆さん、この4つ「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」を聞いて、それならもうやっているよ!ということがあると思います。「ありがとう」「ありのままに」は一女ならではのことではないでしょうか。一女生活の中に、幸せのメカニズムが入っていますね。
そして、一番目の「やってみよう!」という気持ちも大事にしてほしいと思いました。何かを成し遂げたから幸せになるのではなく、何かに向かって夢中で取り組んでいるそのプロセス自体が、人間を最も幸福にするというのです。
この三学期、結果を恐れずに「まずはやってみる」という姿勢を大切にしてください。それが皆さんのウェルビーイングを高め、ひいては周りの友人たちをも幸せにするエネルギーになります。

❷自分の道を拓くということ
二つ目は「道を拓く」覚悟についてです。
特に卒業を控えた3年生の皆さん、そして進級を意識し始めた1年生、2年生の皆さん。未来は誰かが用意してくれる完成図ではありません。
「自分には無理かもしれない」「周りがこう言っているから」と、自分の可能性に自分で蓋をしてしまっていませんか?
女子校という、性別のバイアスなく何にでも挑戦できるこの環境を、最大限に利用してください。リーダーシップを発揮するのも、探究に没頭するのも、芸術に魂を燃やすのも、すべて皆さんの自由です。
たとえ今、将来の夢が明確でなくても構いません。今日、目の前の授業に集中すること。図書室で一冊の本と真剣に向き合うこと。その小さな積み重ねが、気づけば後ろに「道」を作っています。

結びに
三学期は、一年の中で最も短い学期です。しかし、同時に「一年の締めくくり」であり、「次への助走」となる極めて重要な時期でもあります。
皆さん一人ひとりが、自分自身の「幸せの因子」を見つけ、学びを楽しみ、自らの手で力強く未来を切り拓いていくことを期待しています。
特に、新年の始まりの今、今年はどんな年にしようかという抱負は、「やってみよう」という自己実現と成長に結びつく大切なものです。
午年の今年、皆さんにとって、実り多き素晴らしいものになることを願っています。うまくやっていこう!